001
詩を書こうと思ったのは、どうしてだろう。今では、ぼくは、詩というものがどういうものか、何とはなしに分かってきている。そして、ぼくが書こうとするこれが、詩ではないということも。詩を書こうとして、詩ではないものを書く。矛盾している?「ぼくは、あの子に会いたいだけなんだ」何の脈絡もなくそう思う。
002
カミュの描くカリギュラに憧れる。決して届かない月に焦がれ、それを手に入れようとして果たせなかった。不可能を可能にしようとして、非現実を現実にしようとして滅んでいった。ケレア=常識に刺され、死んでいった。不可能は可能だと信じていた、あのカリギュラに。
003
こうして書くと、「あの子」という言葉の意味が違って聞こえるね?信じられないことだけれど、今となっては、その2つが同じ意味を持ち得る。もはや、決して手の届かないものとして。永久に喪われた美の根源として。ひとつは過去に、ひとつは未来に結び付いている。決して取り戻せない過去に、決して存在しなかった未来に。
004
未来も過去もなかったら、人は生きていけない。きっと、無限につながる今に押し潰されてしまう。「優しさよ、ぼくの魂を喰って、世界を包め」たとえ、それが美に代わるものでなかったとしても。思えば、夢だけが色彩を持っていた。
005
今日も星を見ている。世界は、どんどん滲んでいくのに、まだ星が見えていることが不思議で、「あれはこの世界にあるものじゃないんだ」と結論づける。だって、太陽と月から離れ、世界が生きていけると思う?
006
いつだって知っていた。ボクが居なくたって世界は変わらず回っていく。不思議なのは、もう世界は終わると思っているのに、新入生なんてモノになっていること。もう生きてなんかいたくもないのに、凍てついた微笑で、ボクはまたウソをつく。未来を語る華やぎが、どうにも場違いで場違いで、居た堪れない。
007
冥王星、ハーデス、プルート、それがボクの星だ。そんな時は、誰にも会いたくないし、誰とも話したくない。懐かしさだけが、心の奥で焦がされている。「その手でボクに触れるな。限りなく透明な手だけが、ボクに触れることが出来るのだ」
008
いつから、生を語るより、詩=死を語る方が相応しいと思うようになったのだろう。こんなことを書いても、人を心配させるだけで、何にもならないって分かっている。でも、どうしようもない。ぼくは、もう絶対にウソをつきたくない。サジタリウス、ボクの鼓動を撃ち抜いてよ。
009
「心配して欲しいだけでしょ」「自分が中心じゃないと気が済まないんだ」自分自身の内なる言葉が自分自身を傷つける。他の誰にも傷つけられないように。流れ去った水の感覚を、時間は逆ベクトルに流し込む。自分自身の重みで沈みこんでゆく。今は、どんな未来も信じることができない。
010
この世界にはボクの居場所はない。何も信じることが出来ない今は、世界そのものをとても遠く感じる。星の音が聞こえる。夢のどこかで見た気がする。空は空で、海は海で。
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