-夢日記-
『高度30km』
ぼくは砂漠に立っている。
周りには色とりどりのコンテナが見える。
7、6、5、4、3、2、1…
ignition!
緑色に塗られたロケットが白煙を吐き出し、
不思議な螺旋軌道を描きながら垂直に上昇していく。
高度10万m…
それは、あらかじめ仕掛けられた通り、
花火のように爆散し粉々に砕け散った。
天空から届けられる透明な音。
どこか、硝子が砕け散った時に似ていた。
周囲で大はしゃぎする小さな子供たち。
そしてぼくは、世界中の仲間たちに連絡を取る。
「次は高度30kmまで打ち上げる。
その音は世界中で聞くことができる筈だ。
それぞれ、耳を凝らして観測して欲しい。」
場面が変わる。
・・・
ぼくは海へ向かって歩きながら、
なにかの歌を口ずさんでいる。
海の方角から、同じ歌が聞こえてくる。
空から降り注いでくるような透き通った歌声。
やがて、水平線が見えてくる。
突堤の上、1人の女性が歌っていて、
周辺の浜には人だかりが出来ている。
ぼくは、少し離れた浜堤に座り、歌声に聴き入る。
気が付くと、海の一角にアニメが投影されている。
現実かと見間違うような、3次元のホログラム映像。
そうか、あれの主題歌だったっけ。
そう言えば、この街が舞台だった。
<そんな狭苦しいとこに閉じ込めてないで、
実際に街角に投影すればいいのにな>
ぼくがそう思った瞬間・・・そうなる。
浜の近くの坂道を登っていく、
ピンクの毛並のトトロのような・・・
たしか、「ディム」っていう名の生き物。
あれ・・・追いかけていったのは・・・?
ぼくも後を追い、道すがら考える。
・・・あれがホログラムと知ったら、子供たちはガッカリするだろうな・・・
・・・そうか、そのために坂の上の祠に、模型が用意されてるんだっけ・・・
・・・でも、奇態な模型では、きっと子供たちは騙されないだろうな・・・
祠の周囲は疎らな林になっており、
そこで、ぼくは、その子を見つける。
少し不満げなその子を抱き上げ、
頬を寄せるようにして語りかける。
「ディムを見つけられなくて不満なのは分かるけれど、
迷子になって、もう二度と会えなくなってしまったら、
もっとずっと長い間、悲しい思いをしなくちゃいけなくなるんだよ」
いつの間にか、周囲は家の廊下になっている。
ぼくはそっと、その子を床におろし、ふと思う。
あれ?
この子が生きているんだったら、
ぼくは一体、何を探していたんだろう・・・