雪が降るまえに | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


白く染まっていく世界。いつしか嚆矢を失った言葉。霞んだ窓の向こう揺らぐ雲。雪が降るまえに、何か聞きたいことはない?

 一方通行のエスカレーター。12月の大気はどこか寂しげで、ボクを不安な気持ちにさせる。優しさと思いやり、誇りと自信。言葉に表せる筈の諸相。静かなビル峡谷に響き渡るtimbre。ひとつひとつのネオンが身体を貫いていく ― 星々の世界を突っ切るかのように ― よるべなく、夜の海に彷徨う。舞い落ちる銀河のしずく。足の裏、踏みしめる砂の感触。

 無限の波長を織り込んでいくアリアドネの糸、薄く遮られた光。横目で見やる夕暮の街。ありとあらゆることが繰り返されるロンド。斜めに突き刺さる光速のarrow。影絵のように流れる人々。茫洋とした空と海。きっと、テンプレートじゃダメなんだ。掌を冬風が触れる。麻痺し始める感覚。

 そっと、目を閉じてみる。そこに何があるのかも分からずに ― そっと、目を開いてみる。なにもかもを曖昧にすることが世界を汚していった。どこまでも透き通った生き方に焦がれる。遥か高空を滑っていく明滅。昏倒のパトロクロス。数億度の劫火で結晶化する魂。行方知れずの旅人たち。

 どこへ行くあてもないのに、それでも歩いている。どこへ行こうと何も変わらないのに、それでも星を見ている。砂漠の傍ら、千年に一度だけ咲く花だってあるというのに、こんなにも柔らかな光の傍で、それでも心は呼吸を止める。過去はいつだって背景に融けていく。遥けきアストロ。星たちの奏。深々と降る雪、優しさのセレナーデ。

あの頃から一歩も進んでいない。そんな気がする。


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