エジプトのムバラク政権が30年の支配に終わりを告げた。
ぼくは一貫して今回のデモとは距離を置いた発言をしてきた。(twitter)
それは、そもそも革命というものを「善きもの」だと見なしていないからだ。
独裁政権よりは民主政権の方が良いに決まってる。
それでも、ぼくは「革命」よりは「改革」を目指す志向が強い。(漸進主義)
何かを変えたいのならば、何かを良くしたいのならば、
時間を掛けて少しづつ変えていくしかないと思っている。
ひとつのテーゼが立てられると、一斉にそちらに靡いてしまう。
「Yes we can」
「政権交代」
「ムバラク退陣」
それだけで、すべてが上手くいくように思えてしまう。
言ってみれば魔法の言葉。
そして失望する。
アメリカの中間選挙での民主党の惨敗。
日本の参院選挙での民主党の惨敗。
もちろん、意味がなかったとは言わない。
30年に渡る「独裁政権」の終焉
半世紀に渡る「一党支配」の終焉
数百年に渡る「白人支配」の終焉
それはそれとして、非常に意味がある。
300人という死者が多いか少ないか・・・
それはそれとしても、今回のデモが成し遂げたことは
大いに称えられるべきだと思うし誇るべきだとも思う。
ただ、実質は見極めなければならない。
そんなに何もかもが一朝一夕に良くなるわけがない。
やっぱり、少しづつ少しづつ良くしていくしかないと思う。
政治に魔法はない。
100人が100%満足する政策なんてあるわけがない。
たしかに、30年に渡った独裁政権は終わりを告げた。
しかし、それだけで何もかもが変わるわけじゃない。
いま、エジプトの実権を握っているのは軍幹部だ。
ムバラク政権の大部分。大統領本人、副大統領、首相、外相。
みんな、軍の出身だった。
民主化したけれど、(経済的にも)八方ふさがりでどうしようもなくて、
そういう状況がナポレオンやヒトラー(などの拡大主義の独裁者)を生んだ。
だけど、もうそういう時代じゃない筈だ。
デジタル時代の革命は僕にひとつの希望を与えた。
街を清掃していた同年代の青年の姿は僕の心を強く打った。
少しづつだけど時代は良くなっていると、僕は信じている。