亀は意外と速く泳ぐ(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『亀は意外と速く泳ぐ』
 
2005年日本、90分
 
三木聡 監督
 
上野樹里 主演
 
概要
 三木聡監督の長編作品第二弾。主演は『スウィングガールズ』の上野樹里と『花とアリス』の蒼井優。主婦とスパイという意外なモチーフの組み合わせで独特の世界を描く。タイトルには「知っているはずの日常にもまだ知らない別の世界があり、それを知ることで少し幸せになる」という意味が込められている。(Yahoo!映画)
 
三木聡という人
 1993年、深夜のTVで(ある)舞台の中継を見た。不思議かつ可笑しいその世界観に僕は魅了された。以来、CITYBOYSさんのライブはビデオやDVDで数百回は見ているだろう。あまりにも退屈な日常の中で、かれらの舞台はひとつのオアシス。いつしか大人になった僕は実際の舞台も見に行くようになった。(もちろん、去年の舞台も見に行った。)そのCITYBOYSさんのライブで1989~2000年まで作/演出を務めていたのが三木さんだった。今のCIYBOYSライブも好きだけど、当時のCITYBOYSさんのライブは透徹した世界観を持っており、ある種の文学のようだった。僕の笑いの感覚(そんなのあるのか?)は三木さんに育てられたと言っても良い。その後、「笑う犬」を手掛けた三木さん、僕は(その番組を)楽しく見ていたけれど、段々と(僕にとっては)望ましくない方向(安直な方向)に進んでいるように思えた。やがて、「笑う犬」も見なくなり、三木さんとは縁遠くなっていた。
 
感想
 最初の5分間くらいは「ありゃ、こりゃメンドくさいものを見始めちゃったな」って印象だった。時間が経つに連れ、段々と三木さんワールドに引き込まれそうになるけど、ある種の違和感は消えようもなかった。それはきっと、舞台と映画の違い。異世界と視線が一致してしまう。現実と非現実の狭間の葛藤/距離感の喪失。観客の不在。客観的な視線を喪失してしまうと、異世界をそのまま受け取らざるを得ない。いわばツッコミのないボケみたいな感じ。ただ、映像の良さってのもあるんだよな・・・幾つかの景色、流れる世界。音と映像のリズム。いつしか僕はその世界に居た。僕が育った場所。「何するか考えてニコニコしよ」(CITYBOYSライブではきたろうさんのセリフ。)ああ三木ワールドだな・・・不思議と懐かしさはなかった。いまでも僕は、ここで生きている。
 
☆☆☆☆★(4.5)