昨夜、日本代表はイングランド代表と親善試合を行い、
前半に先制したものの、後半に2点を返されて敗れました。
この試合で何が起こったかを、僕なりに分析してみます。
先日、韓国代表相手に惨敗を喫した日本代表は、
この日、阿部を中盤のアンカーに置くシステムに変えてきました。
このシステム変更が効を奏し、守備から解放された遠藤を中心に、
中盤で数的優位に立った日本がポゼッション出来ていました。
また、前線からのプレッシャーにイングランドが戸惑う場面もありました。
この流れの中で日本に先制点が生まれます。
しかし、序々に落ち着きを取り戻したイングランドは、
持ち前の当たり強さを軸にポゼッション率を高めていきます。
さて、ここから何が起きたのでしょうか。
僕がポイントに挙げたいのは(日本の)左サイドの攻防です。
この日、イングランドの右サイドに起用されたウォルコットは、
日本の左サイド長友と大久保に完全に抑えられていました。
しかし、ここに日本の守備が決壊する伏線があったのです。
つまり、強力なサイドアタッカーに対して2枚で挟みにいく。
これは定石ですが、ここで問題が生じてきます。
中盤のサイドに配置された大久保が下がってくることで、
相手のサイドバックがフリーでボールを保持できるようになる。
すると相手はDFラインを高く保つことが可能になる。
日本はサイドが下がることによって、前線でボールが収まらない。
イビツァ・オシム氏が「高さと強さを持ったFWがいないのは、少し残念だ」
と試合後に語ったように、センターで競り勝つことは難しい。
すると、DFラインでクリアしてもボールを拾われてしまう。
ボールをキープできないからチーム全体が押し下げられてしまう。
前半は中盤のスペースを潰して機能していた阿部も、
チーム全体が押し下げられてしまったことによって、
潰すスペース自体が無くなってしまい、機能性を消失する。
こうなると、波状攻撃にさらされることになります。
前半40分辺りからは、この傾向が顕著に現われていました。
波状攻撃にさらされる状況が続けば、失点は時間の問題です。
(注:大久保選手は個人としては非常に奮闘していましたし、
彼が出ている間はリードしていたことも付け加えなければなりません
ここで僕が述べていることは、あくまで戦術的観点の話です)
それでは、日本はどうすれば良かったのでしょうか?
相手のサイドアタッカーにどう対するかが鍵を握ります。
長谷部/遠藤が挟みに行くとなると、強力な中盤の選手
(この試合ではランパード、ジェラードなど)を離してしまうので、
端的に言えば、サイドバックを信頼するしかなかったでしょうね。
中盤サイドの選手は高い位置を保ちつつ、
相手のサイドバックが上がってきたら応対する。
非常にリスキーですが、勝ちを狙いに行くのだったら止むを得ません。
やはり、一対一で勝てない限り試合で勝つのは難しいということです。
いずれにせよ、
久々に見応えのある試合でしたし、論評に値する試合でした。
(特に今年)これまでの試合ではチームにすらなっていない感じで、
分析しようにも、何が悪いとかすら言えないような状態でしたから、
敗因を分析できるようになったのは一歩前進と言えるでしょう。
ワールドカップ本大会まで2週間を切りましたが、
ようやく僅かな光明が見えてきたと言えるでしょうか。