
う~む・・・
≫隊長!
≫何をブツブツ言ってるッスか?
あ!久しぶりだね♪
僕は何でも省略しちゃうなって考えてたの。
≫ん?
≫何で、そう思ったッスか?
うんとね。
今日の演習で発表の感想を求められたの。
≫ほ~う。
1年生の時よりは成長してる筈だと思うでしょ?
≫いや、思いませんけど・・・
・・・以下省略。
≫あ・・・すねた。
≫はいはい、思います。思いますから。
≫で?
そんでね。
僕の感想は「(絵が)細かくて良いな~」と。
≫シンプルな感想ッスね。
ホントはね・・・
『細かいということは世界を現すんだと思うのです。
以前、フェルメールの絵を見た時に、
ここには世界があると感じたのですが、
それもつまり、(光の描写と)細かさゆえだと思うのです。
精緻な描写。そして世界の表現。
ヤン・ファン・エイクは技法と理念とが結合した稀有な画家だと思えます。』
だから「細かくて良いな~」って。
その『』の部分を省略しちゃったの。
≫それじゃ伝わらないッス・・・
しかも、風景画としてどう見るかって聞かれたのね。
で、僕の答えは・・・やっぱり「風景も細かくて良い」って。
≫その心は?
ホントは・・・
『風景・・・以前、同じフランドル出身の画家、
ヒエロニムス・ボスの発表をしたのですが、
彼の場合、風景は箱庭的である気がします。
それは即ち、そこにある世界の風景。
世界は画面の手前に広がっています。
それに対して、ファン・エイクの風景は遠く遠くへと視線が抜けていく。
《ヘントの祭壇画》の印象的な青空。《ロランの聖母》の精密な風景描写。
(発表者の方が)この世の全てを描くことによって神の~
と仰っていましたが、うん。確かに。
現実世界を通過して奥へと抜けていく視線。
地平線の遥か向こうに、神の世界を感じます。
風景を細かく描いたということは、彼にとって
何かこう、祈りのようなものだったのではないでしょうか。』
だから「風景も細かくて良いな」って。
≫長い・・・
≫本当にそんなこと考えてたんですか?
いや・・・今、まとめたの。
≫あ!それじゃインチキじゃないか!
だって、上手いこと言いたいんだもん。
≫大体、隊長はですね!
あ・・・説教の予感・・・
以下省略!それではさらば!
≫あ!逃げた・・・やれやれ。