第9地区 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
第9地区
 
DISTRICT 9
 
2009年アメリカ、 南アフリカ、 ニュージーランド、111分
 
ニール・ブロンカンプ(Neill Blomkamp)監督
 
シャールト・コプリー(Sharlto Copley)主演
 
 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソンが製作を担当し、アメリカでスマッシュヒットを記録したSFムービー。突然地球に難民として降り立った正体不明の“彼ら”と共に暮らすことになる人間の困惑と、マイノリティーとして生きる“彼ら”とのドラマをしっかりと見せる。本作で監督と脚本を担当し、デビューを飾ったのは新人のニール・ブロンカンプ。俳優たちも無名ながらも迫真の演技を披露する。そのオリジナリティーあふれる物語と、摩訶(まか)不思議な“彼ら”の造形に目を奪われる。-Yahoo!映画-
 
はじめに
 まず何よりも、これが通常のSFの枠に収まる作品でないことを押さえて見に行った方が良いと思う。かつて、アパルトヘイト(人種隔離政策)下の南アフリカで白人たちだけが住むことを許されたのが第6地区だった。そこに住んでいた黒人たちは(1968年)強制移住を強いられた。南アフリカでは誰もが知っている話。難民との摩擦や強制移住は今でも世界中で見られる話だ。この映画の舞台となった南アフリカでもジンバブエ難民は悲惨な状況にあり、ドキュメンタリー映像のインタビューの一部は(あくまで異星人の話だと前置きした上で)ジンバブエ難民を念頭に置きながら南アフリカの普通の人にインタビューしたものだそうだ。
 
感想
 ひどく現実的な匂いのするドキュメンタリー映像と非現実的な宇宙船の映像から映画は始まる。隔離された異星人難民たち、地元民たちとの摩擦。現実社会に対して、何かメッセージを突きつけるかのような冒頭。それでも、この作品は現実社会を単にSFにトレースしただけのものではない。現実社会では見え難くなっているものを、SFの要素を取り入れることで作品の一部として昇華させている。人の弱さ脆さ醜さ。それだけではない何か。
 
 グロテスクな表現がかなり多く出て来るので、万人に薦められる映画ではないが、映画というものの標準を大きく越え出た作品。
 
☆☆☆☆☆