John Gabriel Borkman | 想像上のLand's berry

想像上のLand's berry

言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

   
イメージ 1


白い白い雪の中で倒れたボルクマン。

観客を引き込む展開の妙はあるとはいえ、

ストーリー自体は陳腐なものだ。

エルハルトの安っぽい台詞が耳につく。

これが悲劇なのか喜劇なのかも、僕には分からない。

白い白い雪の中で倒れたボルクマン。

僕は、白い布に反射する照明の光をじっと眺めていた。

白い白い世界の眩しさに耐えられなかった鉱夫。

自由という言葉だけが、虚しく響き渡った。



 学校に行っていない間、家から何ヶ月も外に出ないことなんてザラだった。そんな生活を十年以上も続けて、僕の目は強い光には耐えられなくなっていった。両親は少しでも僕を外出させようと旅行に誘ったりした。歴史好きな僕は、城跡などに誘われると良く付いていった。その頃から写真は撮っていた。時にはショッピングに出かけたり、サッカー観戦に出かけたりした。出掛けても、いつも、あの子のことを考えていた。会いたくて会いたくて、すぐ帰りたくなった。

 中谷美紀の曲に「君の誇りを汚すものから君を守りたい・・・少年らしさは傷口だけど君のknife」(作詞:売野雅勇)という歌詞があった。あの頃は・・・なんとなく自分のことのような気がしていた。いつしか少年らしさを失った僕は、三面記事を見ると自分が犯罪者になったような気がして・・・そうして僕は去勢されていく。僕は誇りを失ったオリオン。蠍に刺されて倒れたんだ。今でも夜空を逃げ回っている。僕は・・・

 会いたい人も居ないのに、今日も電車に乗っている。何を求める訳でもないのに、街を彷徨っている。電車のヘッドライトの強い光に、心が騒ぐ自分がいる。あの頃、僕には探し求めるものが在った筈なのに、どうしても、それを思い出すことが出来ない。知ったような知らないような顔の中で、乾いた笑みを浮かべている。美しい人なら、いつでも近くにいるのにね。光の中で気づくのは、不格好に長く伸びた自分の影。僕は盲目のオリオン。光の中では、逃げようにも逃げ場がない。僕は・・・