
駅までの道。
彼女が乗りたい16時16分の電車。
先に教室を出た僕の傍らを
足早に通り過ぎていく。
月の精のような、
白く透き通った横顔。
スピードを上げて・・・
じわじわと距離が離れていく。
ガンバレ・・・
1m
3m
5m
バンビのような、
しなやかな後ろ姿。
時計が進んでいく。
あ、あきらめた・・・
途端に速度が落ちる。
距離が近づく。
3m
1m
・・・
瞬間
カノンが風に融ける
Debussyを聞く電車の中。
すべてが夢だってことに気付く。
僕の存在自体が夢みたいなもの。