
世界はすべて相対的なものですから、答えは簡単です。カメは・・・アキレスに向かって動いているのです。つまり、アキレスから見ると・・・カメは常に自分に向かって動いているように見えるのです。アキレスが追いつくまで、カメは一瞬たりともアキレスから遠ざかることはないのです。もし仮に、一瞬といえどもアキレスからカメが遠ざかるのならば、それはカメがアキレスより高速で移動しているからです。つまり、ここに矛盾など存在しません。この場合の答えも簡単です。カメはアキレスより足が速かった。それだけのことです。

では、なぜ矛盾が存在するように感じるのでしょうか。実はこれ、思考の構造的に1次元世界の競争になっているんです。1つのレーンで走っているのだから、抜けるわけがありません。言葉がアキレスと亀を結びつけてしまっている時点で、この命題はフェイクなのです。

そもそも「相手に追いつく」というのは、言語的に成立しているように感じますが、実際には、この言葉はフェイクです。成立しません。つまり、同一の座標を別個の個体が同時に占めることはない、ということなのです。当たりまえですよね。つまり、亀が居る場所には、アキレスは常にあとに行くことになります。なぜならば・・・亀がどかなければ、アキレスは其処には行けないから。これが、この命題の本当の回答だと思います。

追いつくということは、実際には起こりえません。つまり、この命題に必要なのは、アキレスを迂回させるための目的地なのです。「目的地に先につくのは」と設定すれば、アキレスは亀を迂回できるので矛盾は無くなります。この命題がインチキなのは、目的地が亀に設定されていることです。これでは、永久に亀に追いつける筈がありません。どんなに足の速い人でも、何らかの物体を追いかけている限り、その物体に追いつくことはない。つまり・・・これはアキレスに仕込まれたプログラムの欠陥なのです。
この命題は2つに分けなければなりません。つまり「1次元アキレスは亀を追い抜くことができない」そして「ある物体が、ある物体に追いつくことはない」・・・これならば、如何なる矛盾も存在しません。