
驀地に大地を目指した雨が 庇を撃って弾け飛んだ
淡々と流れていく背景は 幾千の鏡を映し
硝子のように砕ける瞬間を ただひたすら切り取っていく
雄々しく枝を道路に突き出した 名もしらぬ大地の王者
歩くものたちが築く楼閣は 上を恐れて崩れ去る
月すら呑みこまれる自由の空 喜びも悲しみもなく
雨も夕日も似合わないそこでは ただ白だけが許される
でも世界は彩りに満ちていて 真っ白な霧の向こうから
未だ誰も見たことがない色が 現われくるのを待っていた
霧が晴れるとき広がる世界は 僕だけが知っている世界
僕は鍵を持って歩くようになった いつの頃からなのだろう
彩りの中に君がいるだけで 幸せだと感じていた