
2008/12/18 横浜国際競技場
FIFAクラブワールドカップ準決勝
マンチェスター・ユナイテッド 5―3 ガンバ大阪
昨日、行われたマンチェスターUとガンバ大阪の試合。
マンUサポの僕はスタジアムに観戦しに行きました。
学校帰りの夕暮れに着いたお馴染みの日産スタジアム。
この日ばかりは、いつもとは違う雰囲気でした。
出場チームのエンブレムが飾られたメインゲートを抜け、
スタジアム内に入ると、5位決定戦が後半を迎えています。
両チームのプレーに拍手を送りながらも、心は既に
次の試合へ・・・試合終了後、しばらくしてから、
まずはキーパー陣がアップを開始します。
ピッチに姿を見せた瞬間、お客さんは待ってましたとばかり
拍手と歓声を送ります。最初に登場したのはクシュチャク、
フォスターとアモスという、大多数のお客さんには
おそらく馴染みのない控えのGK陣でしたが、少し遅れて
ファン・デル・サールが登場します。ここでも大歓声。
そして、いよいよフィールド・プレーヤー達が登場します
主将のG・ネビルを先頭に、ルーニー、スコールズ、
ギッグスなど、スタープレーヤーが画面に登場するたび
歓声が大きくなります。最後に登場するのはもちろん
C・ロナウド・・・お客さんの声援が爆発します。
目の前でアップする世界的な選手たち、僕は既に
3年前の夏にマンチェスターのアジアツアーで
C・ロナウドを見ていたので、そういう意味の感動は
大きくはありませんでしたが、目は釘付けられました。
しばらくすると、レギュラー組と控え組に分かれます。
すると、どうもルーニーが控え組にいるようでした。
その後、選手紹介でその事実が明らかになると、周りは
少し動揺したようでした。それは後の歓喜に繋がります。
選手紹介の間に選手は控え室に下がります。一時の静寂。
しばらくすると会場にFIFAアンセムが響き渡ります。
記憶の1ページに刻まれる瞬間が始まります。
数において劣勢のガンバ・サポはここぞと声援を送ります。
試合開始・・・拍手と共に焚かれるフラッシュ。
試合開始後のガンバの猛攻で会場は「おや」という雰囲気に
なります。緊張していたガンバサポは少し安堵したような
表情を見せました・・・僕らのチームは世界に通用する・・・
その中で僕は今季の前半戦、チームの影のMVPとも
云えるフレッチャーの不在を嘆いていました。
運動量とポジショニングに優れた彼がベンチにいることで
中盤で相手を自由にさせ過ぎたように感じました。
試合後のファギーのコメントによると、遠藤がトップ下で
くると予想していたが、中盤の底に位置していたので
中盤の守備が混乱した、ということのようでした。
試合開始直後に安田がG・ネビルをぶっちぎったシーンを
見ても、マンチェスターがガンバをそれほど深く研究して
いないのは明らかなようでした。あれは恐らくサイドバックが
ドリブラーであるという情報を持っていなかったか、
あるいはG・ネビルに伝えていなかったからでしょう。
その辺は如何にもファギーらしいなと思って見ていました。
しかし欧州王者のマンチェスターはしたたかでした。
大きく正確なサイドチェンジで徐々に流れを引き寄せると、
コーナーキックのチャンスからヴィディッチのヘディング。
仕方がないとはいえ、完全に山口智は競り負けていました。
山口がJリーグであれほど完全に競り負ける相手は
いないことを考えると、高さという点で日本チームの弱点が
はっきり出ていました。オーロラ・ヴィジョンに映った
山口の悔しがりながら呆然としたような表情が印象的でした。
2点目は、この日はあまりキレが良くなかったC・ロナウド。
1点目と同じくコーナーからのヘディングでしたが、
力技でゴールしたヴィディッチとは対照的に
一度ニアに入ると見せかけ、ボールが来る直前に相手を
突き放してフリーになって決めた技巧的なゴールでした。
調子が良くなくても簡単にゴールを決めてしまう辺りに、
C・ロナウドの格の違いとしたたかさを痛感しました。
ここで前半終了・・・ハーフタイムにはスタジアム内の様子が
オーロラ・ヴィジョンに映し出されるのですが、
数々のお客さんの中、ガンバ・サポの1少年が掲げた
「サッカーは何が起こるか分からない」というプラカードが
映し出された瞬間には、会場から大拍手が巻き起こりました。
会場の反応に大喜びでプラカードを揺らす少年。
なんとも微笑ましい1場面でした・・・試合は怒涛の後半へ。
後半は再びガンバが攻めの気持ちを前面に出します。
しかしマンUのDFは堅く、最後の段階で崩し切れません。
一方のマンUもベルバトフ、ルーニー不在の影響で、
後方からのフィード・ボールが前線に収まりません。
2点リードしたマンUは無理をして攻めず、いつもなら
強力なカウンターを仕掛ける両ウイングの出来が
この日は、今ひとつだったこともあり、
そこから焦れるような時間帯が続きました。
ここでファギーは僕の待望したフレッチャーを投入。
ゴールをしたヴィディッチに代えて若手DFのエバンス。
さらに次いで、会場中が待望したルーニーが登場します。
しかし、この連続交代で守備がずれたスキをガンバが
見逃さず、山崎のキレイなシュートがゴール隅に決まります。
直前にルーニーが登場していたことで過熱していた会場、
このゴールでガンバサポの盛り上がりは最高潮に達します
・・・僕らのチームがマンUからゴールを奪った・・・
しかし気持ちは痛いほど良く分かりますが、これは少し
喜びすぎでした。10年来マンUを応援してきた経験上、
僕はマンUがこの隙を見逃す筈がないと思っていました。
途中投入したフレッチャーからルーニーへ素晴らしいパスが
通ります、ルーニーはこれをスルーしてターンすると
あっさりゴールへ流し込みます・・・彼は役者が違いました。
一瞬の希望をあっさり砕かれたガンバサポ、しかし
その気持ちはむしろ相手への賞賛が大きかったようです。
ここから会場はお祭り気分になってきました。
あまりにも強大な相手に逃げも隠れもせずにぶつかっていった
ガンバ・・・自分たちのチームを誇りに思う・・・
4点目はリーグ戦出場停止中で体がキレキレだったエヴラから
素晴らしい動き出しを見せたフレッチャーのヘディング。
ルーニーの活躍が非常にクローズアップされましたが、
フレッチャーの働きも、もっと評価されても良いでしょう。
勢いに乗ったマンUはルーニーが2ゴール目を上げ、
僅かな時間で完全に試合を決めてしまいました。
90分の内、大部分は6~7割程度でプレーし、
一度ギアを上げるや否や試合を決めてしまう。
王者の王者たるゆえんはここらへんにあります。
一方このままでは終われないガンバ。会場も見るべきものは
見たし、後はヤットのコロコロPKが見たいな、そんな
希望を持っていた矢先、ここで何とG・ネビルのハンドで
PK判定。1瞬、我が目を疑うお客さんたち。
次の瞬間、歓喜のガンバサポ、そしてマンUを応援しながらも
日本人であるヤットのPKを世界に見せたいお客さんたち。
ここで会場は不思議な一体感のようなものを見せます。
固唾を呑む瞬間・・・ヤットのPKは本来のコロコロPKと
少し違い、ファンデルサールが最後まで動かなかったので、
少し強めのキックとなりました。ゴール左隅へ吸い込まれます。
会場中から拍手が湧き上がりました。敵味方関係なく。
試合終了直前には橋本の素晴らしいゴールも決まり、
夢の劇場は多くのものを見たものの心に残し幕を閉じました。
驕ることなく王者らしい戦いを見せたマンチェスターU。
強大な相手に真っ向勝負を挑んだガンバ大阪。
勝敗が重視される世界で、これほど清々しい戦いが、
目の前で展開されたことに、心の底から拍手を送ります。
67000の大観衆と共に帰路へと着きました。
P.S.スタジアム内の写真は後程・・・
ピッチが遠いので、あまり期待しないで下さい(笑)