薬師寺 東塔

2008年9月8日大和西大寺駅で下車、宿に着く。
未だ陽射しの強い9月の太陽に照らされながら
平城宮に立ち寄った後、秋篠川沿いの自転車道に
出て30分も歩くと、川の向こうに連なる屋根の彼方、
一際目立つシルエットが見えてくる。薬師寺 東塔です。
秋篠川対岸より


今回の旅の目的である薬師寺 東塔は西暦730年
(天平二年)に建造されたとされる3重塔で、美術家
「フェノロサ」が凍れる音楽と評したことでも知られます。
一見すると6重塔のようですが、張出しが少なく見える
屋根部分は裳階と言い庇のようなもので数えないそうです。
二重、欄干


右手に古びた黒い東塔を見ながら境内に入ると、
左手には真新しい赤い塔が目に飛び込んでくる。
この塔は昭和時代に再建した西塔です。
東塔初重と西塔


境内には重厚な漆黒の《金堂 薬師如来坐像》
そして哲学者「和辻哲郎」が世界に比類のない偉大な
観音と評した《東院堂 聖観音像》が安置されています。
薬師如来坐像の荘重で気高い姿を拝んだ後、
東塔を見上げながら境内を回り東院堂に到る。
靴を脱いで東院堂に上がり、聖観音に礼拝した後
その優美な姿をしばし眺める。非常に繊細に形づくられた
その姿は息を呑むほどの美しさである。
水煙


名残を惜しみながら東院堂を出て歩廊に入り、
そこに座りながら長い間、東塔を見上げていた。
初重


その律動的な姿、不安定ながら絶妙なバランス。
ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」
第2楽章 Largoが不思議と良く合った。
東塔(手前)と西塔


日が塔の長い影を境内に落とし、閉門の時間に。
沈みゆく夕陽に映える塔を眺めながら門を出た。
帰り際、東塔(手前)


後記:夏休みを過ぎていたこともあり、
奈良公園のような騒然とした雰囲気ではなく
非常に静かで落ち着いた時間を過ごしました。
境内の外より


何と美しい塔なのでしょうか。そして写真に撮るのが
これほど難しい建物は他にはありませんでした。
素晴らしい姿を映したくて、シルエットを多く撮りました。
美しいシルエット


音楽を聴きながら塔を眺めていると、
段々と違う表情が見えてきます。
機会があれば色々な音楽を試して見て下さい。