僕はプロフィール欄にも書いてあるように
マンチェスター・ユナイテッドのサポーターでして、
1999年にマンUがトヨタカップを優勝した時も
国立競技場に応援に行きました。
2003年クリスティアーノ・ロナウドが加入し、
多くのサポーターと同様、僕も彼のスピード、
高速ドリブル、そして遊び心に魅了されました。
以来、彼は僕のヒーローであり、サッカーをする時は
マンUのC・ロナウド#7のユニフォームを着ています。
2006年ドイツW杯イングランド戦における不行儀な行いは
確かに批判されても仕方のないものでしたが、
僕は彼の純真性(単純性?)を示すものとして捉えました。
ご存知のように2006-2007/2007-2008シーズンの活躍は
その不名誉を補って余りあるものでした。
彼は現代スポーツ界のヒーローに祭り上げられ、
その一挙手一投足が注目されるようになりました。
今回の一連の移籍騒動はC・ロナウド本人の曖昧な態度に
一因があるとはいえ、選手が自分の望むチームでプレー
したいという希望を持つことは自由です。
契約を全うするのが義務、というのは確かに正論ですが。
英国の生活に飽き飽きしているという報道もありますが、
本当の問題は余りにも多くの人がこの問題に関わって、
本人の意志が見えづらくなっていることです。
彼はまだ23歳の若者です、「23歳はもう若くはない」
という意見もあるでしょうが、やはりそれでも周囲に
左右される部分は大きいでしょう。
僕はサッカー選手はピッチの中でだけ評価されるべきで、
それ以外の部分、たとえ人格者でなかったとしても、
それはある範囲で許容されるべきだと考えています。
私生活で大人しいジョージ・ベストやガリンシャなど
想像もつきません。それでもサッカー選手としての
彼らの評価は変わらない筈です。
確かにパオロ・マルディーニのように、
ACミランという一つのチームに忠誠をつくし、
人格的にも立派な選手は尊敬されて然るべきです。
しかしそれでも世界には色々な価値観や個性があり、
それは認められなければならないと思います。
僕はC・ロナウドにマンUに残ってほしいですが、
たとえ他のチームに移っても彼を応援し続けるでしょう。
それは単純に彼のプレーが好きだからです。
サッカーの解説者は良く「組織」という言葉を使いますが、
僕はサッカーの魅力は綿密に積み上げていく戦術/組織と
それを一瞬で破壊してしまう個性に在ると思っています。
その瞬間こそサッカーの中で最も美しい瞬間だと。
C・ロナウドはそれが出来る稀有なタレントです。
日本では理解する人は未だ少ないですが
1990年代オフサイドの解釈が変わり、
守備時に高いラインを保つのは事実上不可能になりました。
アリゴ・サッキの提唱したゾーンプレスは時代遅れとなり、
今やヨーロッパのトップクラスのチームで
ゾーンプレスを敷いているチームなど殆どありません。
バランス良く配置した守備陣で相手の攻撃に網をかけ、
そこから如何に点をとるか、というのが現代サッカーです。
ここにおいて3つの選択肢が存在します、
一つはEURO2008でスペインが見せたような、
速いパス回しからスピード溢れるFWが
守備の間隙を突くというやり方です。
もう一つがポストプレーです。
身体能力に恵まれたドログバのように、
当たりに強くスピードも備えた選手が存在すれば、
相手守備陣は必要以上に下がらざるを得なくなります。
その結果バイタルエリアを使用することが可能になります。
そして残る一つがドリブルです。
今年ヨーロッパを制したマンUのフロントラインは
ルーニー/テベス/ギッグス、そしてC・ロナウドと
いずれも突破力に秀でた選手でした。
このやり方の長所は少ない人数で攻め切れることであり、
例えドリブルで突っかけ相手にボールを奪われたとしても、
味方守備陣はその瞬間から充分に数を揃えて守れます。
去年のバロンドール候補がカカ/メッシ/C・ロナウドと
ドリブルに優れた選手達であったのも偶然ではありません。
とかくドリブラーは自己中心的であると批判されますが、
時代の要請は間違いなくドリブラーを必要としています。
長文の上、途中から戦術論になってしまいました。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
最後に一言。またピッチで結果を出せ!クリスティアーノ。
サッカーコラム
「クリスティアーノ・ロナウドをめぐる状況について」
2008 7/30記 flowinvain