詩人特集 第4回 島崎藤村 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

「二つの声」



たれか聞くらむ朝の声

眠と夢を破りいで

彩なす雲にうちのりて

よろづの鳥に歌はれつ

天のかなたにあらはれて

東の空に光あり

そこに時あり始あり

そこに道あり力あり

そこに色あり詞あり

そこに声あり命あり

そこに名ありとうたいつゝ

みそらにあがり地にかけり

のこんの星ともろともに

光のうちに朝ぞ隠るゝ



たれか聞くらむ暮の声

霞の翼 雲の帯

煙の衣 露の袖

つかれてなやむあらそひを

闇のかなたに投げ入れて

夜の使の蝙蝠の

飛ぶ間も声のをやみなく

こゝに影あり迷あり

こゝに夢あり眠あり

こゝに闇あり休息あり

こゝに永きあり遠きあり

こゝに死ありとうたひつゝ

草木にいこひ野にあゆみ

かなたに落つる日とともに

色なき闇に暮ぞ隠るゝ

島崎藤村(1872-1943)

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詩人特集第4回は「島崎藤村」です。
若き頃は浪漫派詩人として名を上げ、
後に自然主義作家として大成しました。

ここに載せた詩は若き日の藤村が編んだ
処女詩集「若菜集」に収録されています。

僕は純文学にはあまり興味が無く、
藤村も読んだことはありませんでした。

ある時、ふと藤村の詩集を手にとって見ると
そこに表現された若い感性は僕の藤村観を覆し、
その詩の世界に魅かれるようになりました。