お母さまから譲り受けた味覚
西野先生が語るお母さまのお話
「気の奥義 」祥伝社P261~
ありがたいことに、私に感性を与え、育ててくれた母は、小さいときから本当におい
しいものを食べさせてくれました。小学校のときは、弁当を持っていくのですが、
「冷めた弁当では味が落ちる」と言って、お昼の時間には家に帰って食事をするよう
に言われていました。私の家は小学校から歩いて五分くらいのところにあり、家に着
くと、母は毎日おかずを何品も揃えて待っていました。そして、”おいしいものを食べ
させることが、なによりの楽しみ”といった顔で、「たくさん食べて、元気に勉強する
のですよ」と言っていたことを、まさに昨日のことのように思い出します。
お母さまは”おいしいものを食べさせることがなにより楽しみ”と、お子さんである西野先生が感じていたのですね。
感性を与えてくれたお母さまは、
”気”とは、生命エネルギーそのものです。エネルギーというのは、観念で理解しよう
とすると矮小化されてしまいます。身体すべての感性を息吹かせ、総動員して捉えな
ければ掴めません。・・・
過去という止まった時間への執着を捨て、変転し続ける瞬間、瞬間の真実をつねに
捉え続けること。
という気の奥義をつかまれた西野先生を育てられたのですね。
感性の源は、お母さまだったのですね。