退院前日。
朝から忙しかった。
退院後の薬の説明をしに、薬剤師が来た。
『少しでも食事が摂れるように、メニューを変えてみました』
と、栄養士が来た。
もっと早く見直せなかったのか。
1ヶ月近く同じ病食を出される患者の気持ちは、きっとわからないだろう。
『ありがとうございました』
全部飲み込んで、感謝を伝えた。
訪問看護の紹介をする担当の看護師が来た。
ストーマケアや体調のフォローを自宅で受けることができると、教えてくれた。
外科の研修医、小林先生が来た。
ストーマ周辺の皮膚がかぶれていたので、軟膏を処方してくれた。
看護師長が来た。
ストーマを造設する為の印を、お腹に書いてくれた人。
いつでも、とても優しい。
涙腺が崩壊した。
看護師が代わる代わる来た。
『明日、見送れないから会いに来ました』
『明日、夜勤だから挨拶に来ました』
『大変なことが起きたのに、よく頑張りましたね』
『藤井さんなら退院しても大丈夫ですよ』
『次の入院の時も、私達の班が受け持ちになったらうれしいです』
『藤井さんの部屋に来るのが楽しみでした』
『何か心配なことがあったら病院に電話してくださいね』
何名かは、一緒に泣いてくれた。
入院生活を振り返ったら、涙が止まらなかった。
この人達にずっと守られていた。
励ましてもらっていた。
1つ1つが、ありがたかった。
相性の良し悪しはあるが、とても素敵で尊敬できる看護師がたくさんだった。
改めて、私には絶対にできない職業だと思った。

