ICUは、機械音や人の動きが気になってソワソワする。

前回の横暴な看護師が来ませんように、とドキドキしていた。


気が付いたら朝になっていた。

体の痛みも少し落ち着いていた。


カーテンが開き、田部先生が来た。

その後、研修医の山中先生も来た。


しばらくして、木田先生が来た。

『眠れなかったと思うので、病室に戻ったら、ゆっくりしてくださいね』


私以外の患者達は、それぞれの診療科の看護師が迎えに来て、運ばれていった。

ICUは私1人になったので、カーテンが開けられた。


看護師や看護助手が談笑しながら、作業を始めた。

次の患者を受け入れる準備だろうか。


私にも次々と話しかけてきた。

看護師『外科は、お迎えが遅いんですよ』

『藤井さん、この前ICUにいらした時は、本当に大変でしたよね』

『朦朧とされてたし、辛そうでした。

今回はニコニコされてるので、よかったです』

『私がお世話した時は眠られていましたよ。

長く眠ったままでした。

起きてる時に始めてお会いします』

私『そうなんですね。

あまり覚えていないんです』


看護師達がテキパキと仕事をしながらも、楽しそうな姿を見て、穏やかな気持ちになっていた。


11時頃、外科の看護師が迎えに来た。

看護師の引継ぎ。


フットポンプが外された。

心電図モニターから体に繋がれた、赤・黄・緑のコードも外された。


『ありがとうございました』

ではまた、とは言えなかった。

ICUの看護師にお礼を伝え、下着の入った袋を受け取り、ベッドのまま外科へ運ばれた。

鎮痛剤用の装置も一緒だったので、看護師3人で大変そうだった。


看護師『無事に部屋に戻れますね』

『昨日、田部先生に、藤井さんの手術どうでしたか?って聞きに行ったんです。

無事終わったよって、先生がすごく笑顔だったので、ほっとしました』

『ここまで色んなことがあったから、みんなで心配してました』

私『ありがとうございました。

無事でよかったです』


気にかけてくれていたことが、うれしかった。

泣きそうになった。


乗り物酔いを堪えて、病室へ戻って来た。

生きて帰って来られた。

ただいま。