『僕のそばへ』


第四回  「そばにいる理由」


僕の朝に、安らぎなど微塵もないのだ。


 慌ただしく自分のデスクに鞄を置きジャケットを脱いで、とりあえずデスクのパソコンをたちあげる。そして、誰よりも真剣な眼差しで、その日あった世界情勢をチェックするかのようにしょこたんブログをチェックする。その後、今日訪ねる会社のリストにざっと目を通す。そう、僕の仕事は営業だ。

大中小企業、家族経営問わず片っ端から文房具を売りに行く。うちのイチ押し商品は、ボールペン、シャープペンの機能を搭載した優れもの、その名も『夢の書けハシ』
他にも、食べれる消しゴム『食べゴム(りんご味とみかん味)』
折れる定規『おじぎ』

など、どれをとってもくだらないアイディア文房具を営業販売しているのだ。

今日も、全くもって売れそうにない商品を鞄に詰め込んで営業に出かける。本日の営業先は経堂だ。だから昼食は、もっぱら立喰いソバ。


前置きが長いし、二三週間も間があいてどんな話かわからなくなってしまったが。 この物語は、営業の行く先々で出会った立喰いソバとのふれあいを描くヒューマングルメソバ小説なのだ。


と、僕は経堂に向かった。