すでに日本をリード?香港競馬の『今』。絶頂期だった平成2~3年の熱気ココに【コラム】 | アーク オフィシャルブログ「【開胸手術】~ドナーとの巡り合い(勉強編)」Powered by Ameba

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一つのレースを掘り下げてみると 違う遺伝子を受け 次の為に生きている事に気付いてくる。それはまるで誰かの助けになれば と決意しドナー登録した方が 実際に使って貰えた時の様に… 競馬という病気を治療する為に 私はメスを手にし無免許ながら開胸手術を施す。

すでに日本をリード?香港競馬の『今』。絶頂期だった平成2~3年の熱気ココに【コラム】2014年1月21日


香港国際競走の華やかさ、盛り上がりぶり熱気にあふれていた香港国際競走、日本競馬と何が違うのか?【提供:橋本全弘】


 去る13日、京都競馬場で年度代表馬に選ばれたロードカナロアの引退式が行われた。スプリント部門から年度代表馬が選ばれたのは1998年のタイキシャトル以来16年ぶり2度目の快挙。春は高松宮記念、安田記念、秋のスプリンターズSなど年間を通しての活躍、圧倒的な強さが認められたものだが、それ以上に年度代表馬のタイトル戴冠の大きなポイントとなったのが国際GI香港スプリントの連覇という勲章。
タイキシャトルが仏GIジャック・ル・マロワ賞を勝ったのと同様に、国内での活躍以上に香港競馬での国際GI連覇の偉業の評価の方が大きいと感じている。

 昨年12月、私は香港へ出向き、香港国際競走を観戦した。ロードカナロアの5馬身差圧勝劇、そしてトウケイヘイローの香港カップ2着の頑張りも日本人としては嬉しかったが、それ以上に感じたのは香港競馬の華やかさや盛り上がりぶり、そして国際競走として世界の競馬シーンに認知されているステータスの高さである。
香港国際競走デーを観戦したことで、香港競馬が東アジアをリードする競馬組織であることを認めざるを得ない……という気持ちになった。

歴史あるJCが衰退傾向にあるのに対してなぜ?

 アジア初の国際競走としてジャパンCが創設されたのは1981年。
対して香港で国際競走が行われたのは7年後の1988年。
しかし、今では後発の香港カップの方が世界的に認知度も高く、出走馬も世界各国から有力、実力馬が数多く参戦する。30年を超える歴史があるJCが国際競走として衰退傾向にあるのに対してなぜ、香港カップは世界的な認知度を得つつあるのか。
その要因は主催者サイドの姿勢にあると言っていいかもしれない。


 現在、「香港国際競走」は1988年に始まった香港カップ(当時は香港国際招待)を軸に91年にマイル、94年にヴァーズ、99年スプリントが加わり4レースが同日に行われるビッグイベントに育っていった。
2001年、アグネスデジタルが香港カップ、ステイゴールドが香港ヴァーズ、エイシンプレストンが香港マイルを優勝、日本調教馬による同日GI3勝の快挙を記憶しているファンも少なくないと思う。

 同日4GIの競馬イベントは今年で15年を過ぎ、今では米国ブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンシップ(土日にGI13レース)や凱旋門賞ウイークエンド(GI7レース)、ドバイミーティング(GI5レース)などと肩を並べる同日(週末)複数重賞競走イベントとして世界の競馬ローテーションに組み入れられほどの認知度を得ている。
競馬本来の姿をないがしろにしてきた結果が今の差 日本では1981年に国際競走としてジャパンカップを創設、外国招待馬にすべての遠征費用を負担するシステムで知名度の高い外国馬を招集してきたが、それ以上の改革はない。
2004年、JRA50周年を記念してジャパンCとジャパンCダートが同日開催されたが、興行的(売上的)には大きな成功を得ることは出来なかったようで以後、同日GI開催は行われていない。
公営競馬でさえ2001年からJBCとしてクラシック、スプリント、レディスの3GIを同日に開催。年とともにその認知度は高くなっている。
売上至上主義を貫くあまり競馬自体の立ち位置や本来の姿をないがしろにしてきた結果が今の「香港カップ」と「ジャパンカップ」の差となって現れているような気がする。


「香港人の80%は競馬好き」

 香港国際競走デーは、キャパシティー8万人のシャティン競馬場がファンで満杯、立錐の余地もないほど混み合っていた。
世界各国から集まった実力馬達による国際GIの熱い戦いにファンは酔いしれ燃えるような熱気が伝わってくる。この熱気は、日本の競馬が一番華やかなりし頃、年間4兆円を売り上げた平成2~3年、あの絶頂期の雰囲気に似ていた。

 そんな中、香港在住の競馬ファンの中国人に話を聞くことができた。「香港人の80%は競馬好き。競馬場は狭いからなかなか行けないが馬券は街のどこでも買えるし、みんな毎週楽しんでいるよ」とまくし立てた。80%は大げさだと思うが、街のあちらこちらに場外馬券発売所があり、またインターネット発売も普及している。


 香港カップから3日後、今度は香港島内にあるハッピーバレー競馬場を観戦した。香港名物のトラム(路面電車)に乗り、終点・ハッピーバレー競馬場へ。街のアチコチに「ハッピーウエンズデー」の大きなポスター。ハッピーバレー開催(ナイター競馬)はほとんどが水曜日の為このコピーがいたるところから目に飛び込んでくる。地上7階建て、まさに夜空に浮かぶ競馬場スタンド。広さだけなら大井競馬場などに比べるとこぢんまりした感じだったが、10香港ドル(約134円)の入場料を払って中に入ると、そこはフェスティバル会場のように賑やかで華やか。もちろん、馬券を賭けるというギャンブル場ではあるがそれ以上に感じたのが社交場としての雰囲気。長く英国領だったこともあり外国人の姿が多く目に付いた。

 訪れた日はクリスマスも近かっただけに、場内にはサンタ姿のキャンペーンガールが何人もいてレースの合間に踊ったり歌を歌ったり……と盛り上げていた。直線コースのラチ沿いにアルコールスタンドや特設舞台が出来ていてレースの合間にはバンド演奏。こんなこと日本の競馬場だったらいきなり警備員が来て止められるんじゃないかな……と思った。こちらではギャンブル場でもあるが、それ以上に目いっぱい楽しめる社交場だった。
同じ香港競馬でも別の国の競馬場のよう 香港競馬はシャティン競馬場とハッピーバレー競馬場の2場で交互に開催されるシステムをとっているが、馬券勝負ならシャティン、楽しく酒を酌み交わしながら競馬観戦を楽しむのならハッピーバレー。同じ競馬でも別の国の競馬場のような雰囲気を感じた。1週間で2種類の競馬を楽しむことができたのは面白かった。


 馬券的中がすべての日本の競馬とは異なった香港競馬に新たな競馬の楽しみ方を見つけたような気がした。

<了>