知人が前原氏の秘書にお世話になって、夏祭りのチケットを何枚か買われたのだけれど、予定していた人が行けなくなったと言うので私が行かせていただく事になった。昨年末、新党を立ち上げたと言うので、前原氏の話も聞きたかった。嘉田由紀子氏も来ていた。ただ、「教育無償化を実現する会」の本気度がもう一つ、どうなのだろうと思った。焦点は大学教育にあるようで、話はアメリカの大学との比較を中心にしていた。ただ、大学への寄付の額が桁違いのアメリカの大学と、文科省の補助と授業料を頼りにしている日本の大学とでは運営の仕方自体がかけ離れていて、ほとんど不可能なことを目標に据えているとしか思えない。教員の給与を比較しても始まらない。考えるに、フランスの大学教育は日本のようにお金はかからない。授業料は数万円と驚くほど安い。その代わりしっかり勉強しないと卒業できない。パリの高等師範学校や理工科学校は入った途端に給料がもらえる。教育が国力だという考え方が浸透しているのだと思う。

 今の日本の高等教育では、育英会の奨学金の返済時に利子が付くというのはなんとかして欲しい。まるで、金貸しで、学生が可哀想だ。それに大学で教えていても、非常勤だと返済免除にならない。非常勤講師が安く働くお陰で日本の大学教育は成立しているのに、きちんと給料がもらえる専任だけが返済免除になるのはおかしい。非常勤講師だって、しっかりした論文を書いている人は多いし、研究能力をみくびってもらっては困る。それに私に関して言えば、極力手抜きせずに教えてきたと思う。非常勤でも返済免除にして欲しかった。ボーナスなしで400万円返済するのは大変だった。

 あと、ロングヘアの男の子が暫くして短髪で真っ黒に日焼けして現れて、聞くとトビをやっていたとの事。父親が亡くなって学費が払えなくなって、せめて短大卒の資格と学費を払うために働いていたと言う。親に大学を辞めてくれと言われ、辞めたくないので、アルバイトをして、学校へ来なくなった子や、母親が自殺して、引きこもっていたけれど、目標を叶えるために卒業したいと言ってくる子や。教育無償化しなくて良いから、取り敢えずこういった子達を援助してやって欲しい。

 前原氏の悪い噂は左京の選挙区では聞かないけれど、アメリカとの比較はどちらでも良いので、目の前にある出来ることから、やって欲しい。