「だから、今度の土曜だって。」
「わかった、土曜だね。」
久美子は直人に念を押した。

次の休みの予定を、
先程から打合せしていた。

「あ、ちょっと待って。」
久美子は話を続けようとしたが、
一回、話を止めた。

「ちょっと、佑樹、どこ行くのこんな時間に。」
出かけようと、脇を通る弟の佑樹に久美子は言った。

「走りに。」
そっけなく、佑樹は言った。

「走りにって、外、結構雪降ってるわよ。」
窓をみやり、佑樹にやめるよう促した。

しかし、気にもとめず、佑樹は靴を履き始めた。

「もう、事故起こしても知らないわよ。」
久美子はそう注意を促したが、
佑樹は、そのまま靴を履いている。

「ゴメンネ、そっち大丈夫?」
久美子は、携帯を持ち直し、直人と再び話し始めた。

「ああ、結構、降っているけどね。」
直人の明るい声が携帯から返ってきた。

「それでね」と、言いかけたとき、

「あっつ、」という、直人の声と共に、
ものすごい音が一瞬携帯から響き、
次の瞬間、一転し無音になった。

「直人、直人!」
久美子は叫んだ。

「どうしたの直人!」
一生懸命、久美子は携帯に問いかけるものの、
反応はなく、無音状態が続き、やがて切れた。

何が起きたのか、久美子はわからなかった。

不安から力が入らず、久美子はその場に崩れ落ちた。

「どうした?」
出かけようとしていた、佑樹は、
久美子の叫びともつかない声を聞き、
駆け寄ってきた。

「直人が、直人が...」
「え、直人さんがどうした?!」
「わ、わからないの。大きな音がして、そして何も言わないの。」
そう言うと、久美子は泣き出した。

「車?」
そう問いかける直人に、泣きながら久美子はうなづいた。

「この近く?」
「仕事の帰りって、言ってた。」
久美子は、泣きながらもなんとか直人の問いになんとか答えた。

「行くぞ。」
と言うな否や、久美子の腕をとり、外に向かった。

佑樹は
助手席に久美子を座らせ、自分軒ていたダウンを渡し、
「寒いから着て、シートベルトちゃんとして。」
と、しっかりした口調で指示した。

久美子は動揺しながらも、佑樹の指示に従い、
しっかりと、助手席に収まった。


「じゃ、行くから。」
そういいながら、佑樹は勢いよく車を発進させた。

外は一面の雪だ。

空から、絶え間なく雪が降りそそしでいる。

「気をつけて。」と言ったものの、久美子は気が気じゃなかった。
「ああ、できるだけ。」気にも止めず、
佑樹はアクセルを一層踏み込んだ。

「あっつ。」
加速により、シートに押し付けら、その怖さから、
久美子は小さな声を出した。

「大丈夫だから。」
佑樹は、ハンドルを操作しながら、久美子に言った。

久美子は頷くしかなかった。

車は勢いよく、道を滑っていく。

久美子は佑樹の車に乗るのが好きではなかった。

佑樹は運転が好きで、車にもこっていた。
その分、運転も荒っぽかった。

一度助手席で、その運転の荒っぽさを味わってから、
佑樹の車には乗らないようにしていた。

しかし、そんな運転も今は心強い。

久美子は、直人が無事でいることを一生懸命祈っていた。
祈るしかなかった。

佑樹はそんな久美子を時折みやりながら、
できるだけ早く、直人を見つけられるよう、
最速で車を走らせた。

「きゃあ。」
車の前を、黒いものが横切った。

佑樹はその動きに反応し、ハンドルを匠に切ったが、
スピードが出ていたこともあり、
制動を大きく見出し、
目の前に雪の壁が現れた。

佑樹はハンドルを瞬時に切り返し、既のところでクラッシュを回避した。

「ごめん。」
一言、佑樹は久美子に伝えたが、加速は落とさなかった。

久美子は目を閉じた。

来る者動きにカラダを任せ、
とにかく一生懸命祈った。

その時だった。
車は急にスピードを落とした。

久美子は反動で体が前に持って行かれそうになったが、
シートベルトがその体をなんとか受け止めた。

「痛い。」
そう言って、目を開けた久美子の前に、
道路から外れたところに光る車のライトを目にした。

「見つけた。」
佑樹はそう、久美子に言うないなや、車を飛び降りた。

外の冷たい空気が久美子を現実に引き戻した。

直人は大丈夫なのだろうか?

我に返った久美子は、シートベルトを外し、
直人の車に駆け寄った。

直人の車に走っていく佑樹を久美子は追った。

佑樹が直人の車に着く前に、ドアが開くのが見えた。

その瞬間、久美子の目から涙が溢れた。

泣きながら駆け寄る久美子を、
車から降りてきた直人はしっかりと受け止め、
きつく抱きしめた。

「ごめん。」
直人は久美子に申し訳なさそうに言った。
「もう。」
それしか久美子は言えなかった。
「気がついたら道を外れてて、そのショックで携帯が折れて...」
直人は久美子の涙を拭いながら、起こったことを説明した。

それを聞いて、不安と緊張から解放されたこともあり、
久美子は涙がもう止まらなかった。

「本当にごめん。」
もう一度、直人は謝り、再びしっかりと組込を抱きしめた。

その傍らで、佑樹は車を引き上げる手はずを終え、
車の中からバックミラー越しに、
二人を見守っていた。

気がつけば、いつの間にか雪はあがていた。

(おしまい)






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