
結局、きちんとした会話を交わすことなく、
食事の時間は終わった。
謙は、山口らと話しながら去るユキの後姿を追うしかなかった。
ユキの笑顔がまぶしい。
ただ、後姿を追う自分に、もう一人の自分がダメだしする。
「それでいいのか」
踏み出したい気持ちがたまる。
しかし、
「今じゃない」
と思う自分に勝てず、
思いとどまった。
気分は空のように晴れ晴れとしない。
「じゃ、潜ります。」リサの声にて現実に戻り、
午前の講習に望んだ。
海の水が少し冷たい。
気が引き締まる感じがした。
何故か心地よかった。
もやもやしたものは消えていた。
(続)


