秘密の花園 -2ページ目

そおか今日君はデートだったね

あー家になんもない。

口にできる、噛めるものがなんもない。


仕方なくお酒飲みます。


最近誰ともコンタクトとってない。




もうヤになっちゃうんだ。



友達同士の馴れ合いって必要ない。




褒められるの好きぢゃない。




そーゆうのいいから、って思う。


そーゆうの言わないあの子とあの子だけが多分本当にお友達。




明日から旅に出ますの。




あなたとなに話そう。


やっぱり結論を話さなきゃだよね。

人間ズルはできないよね。

今でもあなたのこと好きだよ。

その証拠に指輪も大事に持ってるし、着けてるよ。

中指だけど。


あなたは、私より多分私を好いてくれてるよね。



お互い愛はあるのに、方向が違うって辛いね。


大食いを見るの、なんだか好きだ。




美味しそうだな。






ねえ君は今なにしてる?





私は君を忘れた方がいい?



忘れてほしい?




それだけ教えてほしかったよ。


ある物語

『ある物語』(仮)
~第三章~

サラは出掛ける準備をした。
まだ半袖では肌寒いのでワンピースの上に黒いカーディガンをはおった。

紺に細いストライプの入っていて、形はなんとも上品な、それでいてどこか質素なワンピースであった。

「今日はどの靴にしようかしら」
サラは靴が好きであった。そしてどれもお気に入りであった。

しかし今日は雨。
「滑ったら嫌だし、あまりヒールのないものにしよう」
黒に近い紺の革靴を選んだ。
最後に姿見で確認する。

サラは黒が好きだ。

今日もほとんど黒に近いものを身にまとっている。

暗い部屋で黒に包まれたサラ。

顔、首、手のひら、脚だけが白く浮き上がっているようだった。

そしてそれがまたサラの白く美しい肌を際立たせ異様なオーラを放っていた。
真っ赤なルージュを唇にひく。
サラを愛した男たちのほとんどはこの姿を好きだといった。

あごを上げ、目線を下に向けルージュをひく姿は様になっていた。
誰もがサラをスノーホワイトのようだと言った。

漆黒の髪、薔薇のような赤い唇、そして雪のように白い肌。

しかしサラは気にいってなどいなかった。
それはサラのプライドが邪魔をしているというより、おとぎ話の主人公になることが嫌だったのだ。

「あなたに愛されて今日も可愛い私。私は毒リンゴでなんか死にたくないわ」

鏡の中の自身を睨み付けサラは玄関の扉を開けた。



外に出ると小ぶりの雨が降っていた。

サラは傘を忘れたことに気が付くが戻ってはいけない気がした。

小走りで、近くにあるカフェに行く。
アンソニーカフェだ。

店に入るとアンソニーが大きな鍋の前にたっていた。
「いい匂い。オニオンスープね」
カウンター席に座りアンソニーの顔をのぞきこむ。
サラは笑っていた。

「そおだよ、飲む?」
「いらないわ、食欲がないの」
サラの顔から微笑みが消えた。
「…なにかあったのか?」「別になにも。なんにもないのよ。ただ…ただ食べる気がしないのよ」
「そおか。でも明日になったらもっとおいしいから」

時々鍋をかき回すアンソニーはオニオンスープだけを見ていた。

「ねえ、アンソニー」
「…」
「私のワインをちょうだい」

アンソニーはその時はじめてサラを見た。
サラの目を見つめた。

アンソニーにはもう何もかも分かっているようだった。
何も言わず後ろの棚から猫の形をしたボトルを取り出しグラスに注いだ。

注いだグラスとボトルをサラの前に置いた。

「これ猫のボトル。なんとなくお前っぼくて。綺麗な青色も気に入ると思って。」
アンソニーは少し笑っていたがすぐに冷静な面持ちにかえった。

「これじゃないわ。私のワインよ。私が生まれた年のワイン。」
「…」

「あれを飲まなければいけない日なのよ。」
「…」

「ジュナがね、死んだわ」「…」

「ジュナ死んだのよ、私のせいで」
「…」

アンソニーはただ静かにサラを見つめ聞いていた。

「でもね、食欲がないことにジュナは関係ないのよ。ただ食べる気がしないだけ。」
「…」

うつむいていたサラはアンソニーを見た。
アンソニーは言った。
「もう出会った?」

「ええ。ジュナにお別れを言った日にね」
「話した?」
「ええ。」
「…」
「アオという名のおかしな人よ。でも私のことを知っているようだったわ。」
「…」


アンソニーは振り返ると棚の奥の方からボトルを取り出した。


サラのワインだ。
グラスにつぎサラの前に置いた。
サラの前には赤いワインと白いワインが並んだ。


「なんだか異様ね。」
そう言ってサラは赤い方を一気に飲んだ。

「これからアオに会いに行くの。」
「雨あがるといいね」

「あ、そうよ。傘がないの。貸してくれる?」

「そこにあるのを持ってけばいいよ」

「ありがとうアンソニー」

サラは席を立ち、黒い傘を選び店を出た。

アンソニーは残っている白いワインを赤いワインが入っていたグラスに入れて飲んだ。




まだ降り止まない雨はさっきより強くなっていたようだった。


サラは早足で公園近くの大きな病院に向かった。

病院に着くと313という部屋を目指した。

いりくんだ病棟内ではあったがサラはキョロキョロしなかった。

看護婦やリハビリ中の患者などと何度かすれ違ったが顔を見ることはなかった。


部屋の前につき、ノックをする。

「どうぞ」
声が聞こえたので扉を開けるとそこは広い個室であった。


ベッドに近づきカーテンをあけるとそこには美しく少年がいた。

「アオ、会いに来たわ」
「待ってたよ、サラ」


2人は微笑み見つめあった。
お互いが美しいものだと認め合うように。
讃え合うように。


しばらくの間2人は目をそらすことはなかった。

ある物語

『ある物語』(仮)
~第二章~


朝、目が覚めるとサラは泣いていた。

横を向いて寝ていたサラの高い鼻筋には涙がたまっていたほどだった。

涙のわけはよく知っている。が、考えたくもなかった。

バスルームで顔を洗い、歯を磨きながらなんの紅茶を飲むか吟味する。

サラのキッチンには小さく小分けされた紅茶の瓶が並べてあるのだ。
見た目なんとも可愛い。
シナモンティー
ローズティー
ミントティー
レモンティー
ストロベリーティー
ジンジャーティー
フラワーティー
ホワイトティー
チャイ

「どれを飲もうか。今日の気分は。」

可愛い瓶たちを眺め選ぶ。ふと窓の外を見て緊張の糸は切れる。
カーテンをほんの少しだけ開け片目だけで外を見る。
いつもサラは窓の外をカーテン越しではなく、直接見るとき少しいつも慎重だった。
それはスナイパーかのように、あるいは逆に外から狙われているかのように。

「今日は雨か。空の色も悪いなあ。なにか嫌な予感がしてならないわね」

キッチンに戻り、躊躇することなくジンジャーティーの入った瓶を手に取りポットにスプーン3杯分いれた。

あんなに真剣に迷っていたことが意味を無くすことなどサラはひとつも気にしていなかった。

バスルームに戻り口をゆすいだ。
カランと歯ブラシを元に戻す。

日常の当たり前な日課が時に不思議な達成感を与える。
いつもは気にもしないのに。
音や視覚により、常に頭にある妄想より日常が大きくなる。

キッチンに行きケトルに水を入れ火にかける。

その瞬間からまたサラは緊張する。

あの沸騰した時に出るピーという音が大嫌いなのだ。
なにか焦りと危機感を与える、あの音が。

サラは昨日の夕飯に使った食器を洗い始めた。
パスタだったので洗うものは皿とフォークのみ。

この皿というのは真っ赤なガラス製で不気味であったがそこがまたサラのお気に入りであった。

しばらく赤い皿を眺めていたらいつの間にかあの大嫌いな音が鳴り響いていた。
慌てて火を消す。
「ああ、今日はしくじった。」
ゆっくりポットにお湯を注ぐ。ジンジャーの匂いが広がる。サラは気持ちよくなった。

ガラス製のティーカップに注ぎミルクを2つ入れた。
「今日は出掛けたくないわ。でもアオに会いたい。アオにはいろいろ話さなくてはいけないからね。」


冷えきったサラの体に熱い熱い紅茶が入っていく。

口から食堂をつたい胃に流れ落ちるのを感じる。


サラは落ち着いていた。

「今日は出掛けよう。今日こそは出掛けるのよ。誰かのためだけに。」


サラは今日も自分が存在することを確認しに行く。