こんばんは、タロット占い師・守田のり子です。

昨日の続きです↓
「『癒し』と『赦し(ゆるし)』が、うさん臭い理由(1)」

先月の棚田先生のビリーフチェンジ入門講座で、
ある女性が質問されました。

「子どもの頃、親に虐待されて
非常に苦しい人生でした。
色々なセラピーを受けたり、自分で勉強したりして
“親を憎んだままでは幸せになれない。
もう親を赦すしかないんだ”と気が付き、
親を赦しました。

そのせいで、随分楽になりました。
でも、なぜか人生が好転しないんです。
これ以上どうしたらいいのでしょうか?」
という旨の質問でした。


この質問に対する棚田先生の答えに、
私は飛びあがりそうになりました。

先生が、
「『赦す』セッションは、100%失敗します。」
とおっしゃったからです。


え!?
なんと!
100%???
マジで?
そこ、言い切れるの???


『100%失敗!』と言い切る棚田先生を
まずは「凄い!」と思った私です。

質問された女性も驚かれたようで、
「いや、でも、私は親を赦してから、
もの凄く楽になったんんですよ。」
とやんわり反論されました。


その後、棚田先生が
その女性に対して話された回答は、
とても納得のいくものでした。


以下、棚田先生のお話の概要です↓

『赦す』というのは、頭での処理。
大脳新皮質の働き(=思考)によるものです。
つまり、『赦す』というのは、
人間が考え出した概念で、
その証拠に、動物は赦したりしません。

親からの虐待などの体験をした時に、
本来経験するはずの
『怒りや悲しみや恐怖などの感情』が
十分に感じられていない場合があります。

それは、感情のエネルギーが
自分の『脳の許容量』を超えた場合です。
もし感じてしまうと、自分が壊れてしまうため、
感じない事で、自分を守るのです。

例えば、あまりに怖すぎて
『怖い』と感じられないなど。

(この、感じきることが出来なかった感情を
棚田先生は『残存エネルギー』と呼ばれていました。)


「誰か」や「何か」を『赦す』ことを目指して
セッションをすると、
処理できずに体内・脳内に残った感情を、
十分に感じないまま、
思考で処理して(自らを頭で納得させて)
自分の中に閉じ込める結果となります。


残存エネルギーを閉じ込めると、
更に症状は悪化します。

もし、閉じ込めた感情が『怒り』の場合は、
うつ状態にもなります。
セッションを受けて
『赦せない』を感じてしまった場合は、
『赦せない自分』を更に責める事にもなります。

残存エネルギーを下げる事、
つまり、その時の感情を『体験』し、
感情を表現する事で、
はじめて問題は解決するのです。



棚田先生の説明は、以上のようなものでした。



なるほど~。

だから、残存エネルギーを解放するのではなく、
閉じ込める結果になる『赦す』セッションは、
100%失敗に終わるのですね。

例えば、実はまだ心の中で
相手に怒りを感じているのに、
“相手を赦すしかないのだ”と頭で納得することで、
怒りが残っていないことにする

相手を赦したあとでは、
もうその怒りを感じることを
自分に許可することは出来ません。

行き場を失った『怒り』は
自分の中に留まり続けます。
これでは、更に苦しいです。



先生の解説を聴いて、もの凄く腑に落ちた私は
そうか!なるほど~!と
ひとり静かに大興奮しました。


『赦しましょう』とか、『手放しましょう』という
謳い文句のセッションを、
なんとなくうさん臭く感じていた理由が
よく分かりました。

『感情』の問題を、『思考』で解決しようとしても
無理なのですね。

残存エネルギーを『思考』で処理するのは
無理なこと。
その無理な事を、いかにも可能な事のように扱う
セッションに違和感を感じていたのです、私。



赦す



つづく。

次は、『癒し』について書きますね。




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