「分かります」
「共感出来ます」

と、言われても、

 

本当に分かってる?

と思ったことのある方はいらっしゃると思います。


共感とは、
「他者と喜怒哀楽の感情を共有すること」
と、Wikipediaにはありました。

ただ、完全な共感 というのはないのではないかと思います。


なぜなら、人には、それぞれ背景があります。
生まれ育った環境や、学んできたこと、
今世以前の記憶から取り入れているものもあるかもしれません。
それ、全てでその人です。

そして、全く同じ状況の人はいません。


私は、仕事柄、
共感することは、とても大事で、
そして、その人の気持ちに寄り添って、
分かってあげたい、と思ってきました。


でも、完全な共感というのはないんですよね。
だって、完全に同じ状況の人はいない訳ですから。

共感といっても、それは、
自分の経験してきたことや思いから、
そういうことだと、
想像しているのに過ぎません。
分かっているつもりになっているだけなのです。

 


このことを知ってから、
私は安易に、

「分かります」 

「共感できます」

と、言わないようにしています。

 


その方の苦しみや悲しみ、
頑張ってきたことに対して、
受け止めたり、労ったりはしますが、
それ以上はしてはいけないと思っています。

 

だって、本当は、

その人と同じように感じていないし、

感じられないのですから。

 


「受け止めて、聴いて、労って欲しい」
相手が求めているのは、そういうことだと思います。

 

 

また、必要以上に感情移入することは、

依存を生んだり、

その人の思考を膨らませたりします。

 

 

私達に出来ることも

「受け止めて、聴いて、労う」 こと。

 

「その人を尊重し、

その心中を思いやって寄り添う」 こと

なのだろうと思います。