ごまかしと隠ぺい | kyottides的 喜怒哀楽

kyottides的 喜怒哀楽

一年余りにわたって 開店休業状態 でしたが、そろそろ、また、あれやこれやと綴ってみようかなと思い始めています。よろしくお願いします。

 どんな職業でも、「ほうれんそう」は、基本中の基本とされていると思います。この、報告・連絡・相談のうち、おおもとになるのが報告です。特に外回りの業務の多い職場ではイヤというほど日報を書かされるという人も少なくないでしょう。
 その報告の内容ですが、普通、「悪い知らせほど早く報告すること」が鉄則になっています。自分にとって都合の悪いことが生じた場合、その報告が遅れたり隠したりすると、問題は本人ばかりではなく、多くの関係者に及んでしまうからです。早い段階で問題の共有ができれば、キズは浅いうちに対処できます。


 普通、常識だと思うこうした基本が、東京電力のような“国策会社”とか各省庁の行政府では、イロハのイのうちにも入っていないのは、なぜでしょうか。
 結論を一言で言えば、巨大組織に共通する官僚主義体質に浸っているからです。

 今回の大震災で生じた福島原発の崩壊事故は、天災ではなく人災だという声も日ごとに強まっています。というのも、事故発生の当初から報告の遅延とか報告漏れ(実は、隠ぺいでしょう)が相次ぎ、その結果、事態の進展に伴って対策が後手に回るのを常としてきたからです。
 「何やってんだ」という声は、国内ばかりではなく、やはり、指摘したように、海外からも聞かれるようになりました。特にアメリカからは軍隊が直接乗り出して、その深入りの度を深めています。あたかも、もたもたする子ども相手に大人が直接、指図し始めたような光景です。
 最近では、東電や原子力安全・保安院などの発表する数字の感覚がマヒしかかっていることにも気づいて、愕然とする思いもしています。基準の100倍の放射線物質が含まれる水のことを低濃度だなどと言われれば、そうなのかな、と思ってしまうのですから。そういうものが海に垂れ流されることをやむを得ないことと受け止める空気まで生まれているのは、どう考えても異常だと思います。

 この程度の放射能漏れは安心だ、心配ないと言い続けてきた東電も保安院も、もはや、そういうことは言えなくなってきました。「ただちに云々」も聞こえなくなってきました。
 しかし、御用学者たちも含めて、原子力関係者がそんなことを言えば言うほど怪しいと思っていた疑念が、次々と、現実問題となってきました。ホウレン草ばかりではなく野菜全般に影響が出てくる、海産物にも影響が出てくる、国際問題に発展する、と指摘した問題がすべて現実のものとなっています。

 それにしても、許せないのは、あの保安院です。
 福島原発の事故をきっかけに、例えば、中国では稼働中、建設中のすべての原発の点検を指示するなど、政府の早い対応が目立っています。それに引き換え、日本の保安院は、福島原発について東電の代理人のような会見をするばかりで、日本中の他の原発についての点検強化とか安全基準の見直しとか、打つべき手を何も打っていないのです。何も安全・保安のための取り組みなどしていないのが実態です。

 もうひとつ、数字にマヒしかかっている話。あの「半減期」についてです。
 放射性物質の放射線の半減期というのは、たとえば半減期8日間、というのは、放射線が半分に減るのが8日間ということであって、まだ、半分は残っているのです。次の8日間でその半分が減るのですから、四分の一の減少です。最初の8日間と併せると、16日間で四分の三、つまり、75%の減少にとどまります。さらに8日後、合計24日後には87.5%が減ることになりますが、まだ、12.5%は、残り続けます。
 国の基準値の100倍の濃度の放射性物質で半減期8日間のものであれば、24日後にもまだ12.5倍の放射線物質は残留しているわけです。何千倍とか何百万倍とかいう数字になれば、それに12.5%をかけるだけでも24日後にはまだ、何百倍、何十万倍のものが残っているわけです。
 ちなみに、100%のものが、0.00%(小数点以下3桁を四捨五入)になるまで半減期を何回積み重ねる必要があるかと計算してみたら15回でした。半減期8日のものであれば120日かかることになります。半減期30年であれば450年かかります。
 一桁ゆるめて0.0%(小数点以下2桁を四捨五入)になるまででも、半減期は11回かかります。つまり、半減期8日のものが0.0%になるには88日、30年のものであれば330年です。
 計算式は “=100% * (0.5^A)”です。Aの部分が半減期何回分に相当します。半減期8日であれば、8*Aで、日数が出ます。(0.5^Aというのは、0.5のA乗という意味です。)

 「残留期間が短い」だの「低濃度」だのという表現が、実は、本当の影響を覆い隠すためのごまかしであることに怒りを覚えるとともに、こういう表現を無批判に使っているメディアにも怒りを覚えます。やっぱり彼らは、御用新聞、御用メディアなのだ、と。
 そういえば、気象庁も、原子力関係者に加担して、放射性物質の拡散予想図を隠してきたことも思い出されます。

 話が長くなったので、こうしたごまかしの操作をしようとしたり隠ぺいしようとする官僚主義体質の話は、また、次回に譲ることとします。