非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク〈8〉 (文春文庫)/石田 衣良
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Ⅰからずっと文庫で読んでいます。Ⅷまで出ました。
石田衣良は、このシリーズと初期の作品が好きですね。

多作な人だけに、駄作も多い。親指の恋人なんて、ちょっと?という感じ。
基本ご都合主義なハッピーエンドが多い気がするので、エンターテインメント
から抜けきることは難しい印象。

直木賞を取った作品4TEENとその続編の6TEENは、割と影の部分も描いていて
嫌いではないですが、うつくしいこどもとか、能天気に物事が進まない話
の方がこの人の作品ではよりリアルな真実味を帯びる気がします。
4TEEN (新潮文庫)/石田 衣良
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花束のワンパターンもいかにも男性作家。眠れぬ真珠かなんかで、白いバラにカスミ草。
バラとカスミ草なんて今どきそんな野暮ったい花束、誰が好むかい!と同じ記述を
確か別の作品でも見たので、突っ込みました。

花束をまともに女性にあげるとして、その女性がセンスのある芸術家
という設定であるなら、上の組み合わせは一番ダサくてイヤ。古臭い。
私なら、もっとスマートな花束か、季節を感じさせる温かみのある花束か、門出を
祝うのであれば、華やかな色どりか、爽やかに決めるか、その辺の裏をとってこい!
とか思ってしまった事が。

IWGPはドラマがきっかけで好きになりましたが、あまり作品との違和感がなく、
ドラマはドラマで非常に良かったし、本編は本編でマコトという人物が魅力的ではあります。

時代を切り取るのはうまいけど、人物に関して言うと、マコトがやや通り一遍になって
きているかなぁと思いつつ、うまくはまり過ぎでしょ、とも思いつつ、この作品だから
読んでいける、という印象です。
時代の風俗については、もっと取材してよ、と思う事もありますけど、それは人によるんでしょう
から、他の部分を楽しむつもりで読んでいます。

この人の作品を読み返すとしたら、このシリーズと、初期のごく何篇かと、4TEEN位かな、
という所です。