森瑤子という女流作家 | Fiore-fleurのブログ

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かつて、日本がバブルに沸いた頃のこと。
 
「私はプロなのよ。何だって書けるのよ。」という台詞を言い放った女流作家がいた。…しかも何の嫌味も感じさせず。
 
女流作家という名詞はそのひとのためにあるような気がした。
 
筆名を森瑤子という。
 
優しく繊細なハンサムウーマンだった。
電車の吊り広告で文庫本の告知がある度に私は書店に足を運んだものだ。
美味しいものやお洒落に目がなく、その一流の鑑識眼で1991年には東京高島屋に「森瑤子コレクション」というギフトコーナーを担当した。
ブランドものよりも「私に似合うものが好き」と、安いものと高価なものを実にセンス良く組み合わせて身につけていた。
森瑤子
本名、雅代・ブラッキン・伊藤
1993年7月6日 没
 
37歳の時、「情事」でデビュー。52歳で亡くなるまでに小説・エッセイ・翻訳などで100冊を超える作品を書き上げた。
まさに、バブルの申し子。
華やかな世界とめまぐるしく変化する人々の感情を見事に混在させた作品は、森瑤子の繊細な感性で絶妙な紗がかけられ、読み手を魅了したものだ。当時の私個人の恋も、森瑤子の世界に強く影響された。
その作品で感じたこと…男あしらいが上手いのだった。男が放っておけなくなる女の在りようを、実に粋に「素敵な恋をしましょうね。」と伝えてくれたのだった。
 
…バブルがはじけて久しくなる最近、懐古主義ではない私が、再び森瑤子の作品を読み返している。初めて読むように新鮮な思いで。
20代の頃には納得できなかった多くのことが理解できる今が、がぜん楽しくなる。
出版されて数年で重版出来の数が21度と知り、その人気の凄まじかったことにも驚く。ただ、時代性の強い作品なだけに作家本人が亡くなってしまうと、もう文庫本も重版されなくなったようで、調べてみても古本ばかりが出回っている。因みに私は古本が嫌い。従って自分の好きな本も売りに出さないからうちの本棚は巨大である。
 

 

最近の女性には恋のお手本となる小説家が、いや、女流作家がいないことは残念だ。というか恋すらしていない女性が恐ろしく多い。
「将来独りで過ごすのは淋しいから」「孤独死したくないから」という理由で婚活にいそしむ適齢期の女性を見たら、森瑤子はどう思うだろうか。
いや、どんなレクチャーをくれるだろうか。
 
…いくら考えてみても、その答えは決して返ってこない。
 
しかし、森瑤子の作品を読んだことのない人にも、エッセイはぜひ読んでいただきたいと思うことがある。どれも、説教臭くなく人生を素敵に生きるためのポイントが魅力的に散りばめられているから。

そしてこの「マイコレクション」は森瑤子の選んだ逸品を紹介した作品。

読んでいるだけで贅沢を味わっている気分にさえなるエッセイ&小説だ。…最近の小説はそういう意味ではせせこましく物足りないものが多い。

 

 

さて、

そんな今日は…

「プライベート」~忌野清志郎さん&2.3'S

森瑤子さん原作のドラマ「デザートはあなた」のためにリメイクされた曲です。

 

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