こんにちは。


今日はスカルラッティ ソナタ

速度表示のお話を少し、、。


今回演奏してみたのは、

ソナタ ハ長調 K132。






私の利用している楽譜(URTEX ブダペスト版) には

アンダンテ」 と表示がありました。


アンダンテ」の速さは、


エレガントなドレスを纏った貴婦人が、程よい歩調で歩く速さ、

と理解しています。


そそくさ歩くのでもなく、

バランスを崩すほどゆっくり歩くのでもない。


しかも3拍子となると、

前へ前へと前進するのではなく、


1で姿勢を低くして前へ一歩

2でもう一方の足で横へ一歩

3で姿勢を元に戻しながら(背を伸ばして)、最初の(1の) 足を身体に近づける

と言う感覚。


ところが、Youtubeで数多くの演奏がある中、

この曲の殆どが 「アンダンテ」ではなく

カンタービレ」と表示されているのを発見!


カンタービレ」は、その言葉通り「歌うように」であるので、演奏速度は必然と変わって来ます。

レガートで、一つ一つの音をよく響かせ、

ゆっくりではあるけれど

前へ前へと進んでいく感覚。


動画の中には、物凄くゆっくり演奏しているチェンバリストもいました。


本当はどっち!?


こう言う疑問が出て来たら、どうするか。



もちろん演奏家がその曲をどのように感じ取るかが重要になりますが


(本人が感じていない速度で演奏すると、聴いている方もしっくりといきません、、)



もう一つ大切なのは、


曲の構成をよく見てみること。


この曲の場合、

基本的なリズムは、

1拍目は32分音符のアルペジオの飛躍的かつ速いパッセージで2拍目に流れ込み、

2拍目と3拍目は、淡々と進んでいます。


私としては、1拍目はあっさりと弾いた方が、2拍目や3拍目とバランスがとれ、

癖のない穏やかな3拍子になると思います。


つまり、私個人的には、カンタービレと言うよりは、アンダンテのように感じています。



とてもシンプルば歩調ですが、

展開部にみられる南部スペインの独特の和声を、チェンバロならではの分散和音でバラバラン〜と弾く感触が

物凄く好きですブルーハート




前半も後半も繰り返しを入れたので、

ちょっと長くなりましたが、

リラックス気分で聴いて頂けたらと思います。



いつも聴いていただき、有難うございます。


ハートハートブルー音符