こんにちは。
秋も深まってきました。
今日は、一般国民にはとても複雑なイタリア医療機関のしくみを簡単にお話します。
具合が悪いと近くの病院ですぐに受診できる日本。
イタリアにもプライベートのクリニックや私立病院があり、保険が効かないけれど個人的にいつでも通院できる医療施設はあります。
ですが、私のような一般市民、つまり殆どの人は、保険が適用出来る公共医療施設を利用しています。
イタリアで何か健康に問題があると、
まず主治医に連絡します。
主治医とは、「ファミリーの医者」または「ベーシックの医者」とも呼ばれ、地域の診療所で診療または往診しています。
住民は、この地域の医者に登録しておきます。住民票がなければ登録出来ません。
地域の医者は複数いて自分で選択します。
地域の医者一人につき、500人から1500人程度の住民が登録しています。
主治医は一般的に朝の2時間程度しか連絡出来る時間帯がありません。
その時間帯は、ずっと話し中でなかなか電話に出ないケースも多いです。
やっと連絡できたら、病状によって当日、または近日中にアポを取ります。
アポの予約時間に主治医を受診し、
薬が必要ば場合は、処方箋を書いてもらい、
それを薬局へ持っていき、購入します。
抗生剤や持病の薬など、高価な薬が無料になることも多いです。
主治医の受診で検査が必要と診断された場合は、
シリアルナンバーの記載された紙をもらい、
電話やネット、または医療機関に赴いて検査出来る施設や日にちなどを指定し、予約します。
検査出来る医療機関への予約が数ヶ月先ということも良くあります。
具合が悪く急いでいる場合は、国の医療機関を諦めて、プライベートクリニックで近日中に検査予約をします。
予約日にはその医療機関で検査をしてもらい、
場合によっては数日後にまたその医療機関へ検査の結果を取りにいきます。
その結果を主治医に見せ、(その度にアポを取る)
治療方法を検討していきます。
検査で手術等、病気が重かったり緊急を要するに場合には、国立病院へ直接連絡を取ってもらい、そちらへ通院することになります。
要するに、
なんかおかしい、と体調が悪くなってから、
治療してもらうまで、
数ヶ月かかることもあるわけです。
のんびりしていたら、既に手遅れ、
という場合もあり得ます。
マジ心配、、
という症状がある場合は、
大きな病院の救急外来に足を運びます。
救急性がないとみなされると、何時間も待たされることになりますが、
救急外来だと、その日のうちに検査され、すぐに結果が出て治療法も決まります。
日本のように、自分で選択した病院へ行き、その日のうちに診療を受け、検査も受け、保険も適用できると言う効率的な方法を思うと、
イタリアは、信じられないほど非効率的なシステムです。
良い点といえば、
重病患者には、保険が全額保証されているので、
治療費が払えないので病院へ行けない、と言う心配はないです。
イタリアは、国民の税金が高いことで有名ですが、その理由はここにあるわけです。
一般情報はここまでとして、
先日記事でも少し書いた息子の過敏症腸症候群について。
(病名は、私が勝手につけました。)
本当はまだ検査もしていない状況なので、何とも言えないのです。
今回下痢の日が何日も続いたので、
主治医に連絡し、胃腸科医への予約を試みましたが、
国立医療機関では、来年の1月下旬にしか空きがなく、
それを諦めて、プライベートクリニックで受診しました。
そこでは、結局色んな検査の指示をして貰っただけで、
結局それをまた主治医のところへ持って行き、
検査予約の出来る用紙を発行してもらいます。
国立医療機関での検査予約が何ヶ月も先になれば、
結局またプライベートクリニックで検査を予約することになるでしょう。
因みに診療や検査の料金ですが、
病気にもよりますが、
プライベートクリニックだと、一回で1万5000円から3万円前後。
国立医療機関だと、主治医の診療は無料、検査は5000円から1万円程度です。
以上、イタリアの医療制度🇮🇹を
簡単に説明させて頂きました〜。
息子の検査、診断、治療、解決までは、
まだまだ長い道のりのようです。。