「初めてピアノを習う子に大切なこと」シリーズ4回目です。
前回(第3回) の記事は、こちら↓
さて、前回は第一関節をしっかり外側に丸く出して鍵盤を押さえる感覚を身につける練習方法をお伝えしました。
また親指の「マムシ指」に関しても少しお話しました。
ピアノの鍵盤を幅広く自由に動くためには、親指の動きが非常に重要です。
他の4本の指の下にパッと潜らせたり、
親指が軸の働きをすることによって他の4本をスムーズに移動させることができるのです。
親指は5本指の中でも大黒柱の役割をしています。
もし「マムシ指」だったら他の4本の指のスムーズな動きを大きく制限してしまうことになります。
お子さんの中には、親指の第2関節が元々しっかりとしている手もあれば、どう押さえてもマムシになってしまう子もいます。
それは手の形のせいで、弾き方が悪いという訳ではありません。
先生は最初から「これじゃあダメね」と諦めた顔を生徒さんに見せないで、根気よく治してあげましょう。
私も最初は左手の親指がマムシでした。
自分で弾いていても動きが制限されてしまい、どうしても治したいと思い随分努力しました。
今では、弾いていない時マムシになっている時もありますが、演奏するときは指の根元の第2関節はしっかり外に出ています。
今日はそのマムシ指の直し方をお伝えします。
大切なのは、親指の根元の第2関節がいつも外側に出ていて、その状態で鍵盤を押さえ、手の重みを支えることが出来る感覚を身につけること。
そのためには、いつももう一つの手の親指以外の4本指で問題の親指の第2関節から第3関節にあたる場所を下から支えてあげ、その型を保ちながら5本指を動かす練習すること。
例えば、片方の手でもう一方の手を支えたままハノンの1番を練習するのもいいと思います。
マムシ指はすぐに治るわけではありませんし、最初の頃は、支えているもう片方の指を離すとすぐに関節が凹んでしまうでしょう。
でも親指が鍵盤を押さえた状態で、何度も支えをゆっくりゆっくり外したり支えたりして、凹む瞬間の感覚をよく感じ少しずつ凹まないように手全体のバランスも感じながら治していきましょう。
決して焦らず、
毎日マムシを治す練習をしてから、他の練習を始めるように習慣付けてみて下さい。
すぐに治らないからといって諦めないで〜
私の生徒さんも殆どは、中学生になる頃から自然と指の力も強くなり、マムシもいつの間にか治っています。
あまり治すことに固執するより、
少し気にしているくらいの方が良いかもしれません。