翔くんをそっと手で包んで持ち上げて
そっとテーブルの上に載せた。

おいらは目線が合うように、その正面に正座した。

翔くんは顎の下に手を当てて考え込んでいる。

「これは夢オチか?
 
 ・・・そうか!
 
 そうだよな~、ハハ。
 現実にこんなことある訳ないよな。

 目が覚めたら、なんだかヘンな夢みちゃったよ~
 みたいな?

 なぁ?」

翔くんは自分に言い聞かせるみたいにぶつぶつ言って、
最後においらに向かって聞いた。

おいらは曖昧に笑うしかなくて。

「ごめん・・・」

思わず謝ってた。

「なんで謝るんだ。
 え?
 これって、夢じゃないのか?」

縋るようにおいらを見る翔くん。

夢だよって言えたら良かったんだけど。

おいらはコクンと頷いた。

それを見た翔くんはガクっとなで肩の肩をいつも以上に落とした。

そのまましばらくうつむいていた翔くんが
ハッとして顔を上げた。

「そう言えばさっき、頭ん中に変な声が聞こえてきたんだ。
 で、その声が智の願いを叶えてやるって言って、
 そしたら、なぜか俺の身体が小さくなってしまったんだ。

 これは一体どういうことだ?

 あの変な声はいったい何者なんだろう・・・」

翔くんがまた顎の下に手を当てて考え込んでいる。

それはきっと・・・。


(続きます)