二人で並んでケーキを食べた。
おいらの好きなチョコケーキ。

「うンまぁ~ぃ」

思わず声が漏れた。

「智はホントに美味そうに食べるね」

そう言う翔くんこそ。

「ん?」

ケーキを口いっぱいに頬張って、おいらを見る。
学校で見せる顔とずいぶん違う気がする。

「そうだ、母ちゃんが、泊まるなら風呂入れって。
 おいら、とりあえず一人でやっとくから先に入って」

「そっか、じゃあ、先に入ってくるな」

「場所は下で母ちゃんに聞いて」

翔くんは部屋を出るとき、ふと振り向いた。

「智、一緒に入る?」

「へっ?」

「ふふふ、冗談だよ」

そう言って、笑いながら出ていった。

もうっ////
顔が赤くなるのが分かった。
からかわれただけ。

って思ったけど、別に男同士だし、構わないんだけど。
なんで、おいら、こんな赤くなってんだろ。

おいらは慌てて課題の続きやって、気を紛らわせた。

すると、さっき翔くんが教えてくれたこともあって
するすると解ける。

「え、おいらすごいじゃん」

思わず、声に出てたらしい。

「何がすごいって?」

いつの間にか翔くんが風呂から戻ってきてた。

ドキッ。

濡れてる髪をタオルで拭きながらこっちを見てる翔くん。
着てるのは、それって、バスローブってヤツ!?

「ん?」

まん丸い目でおいらをじっと見た。

ドキドキ。

なんて言うか、大人?な感じが・・・。
おいらは目を逸らして、課題に向けた。

「お、結構進んでるじゃん」

翔くんが側に来て課題を覗き込んだ。

///・・・。

「これなら、意外と早く終わるかも?
 そうだ、おばさんが智も風呂入れって・・・智?」

黙ったままのおいらに不思議そうに尋ねる翔くん。

「風呂、行ってくる」

おいらは立ち上がってそう言うと、部屋から出た。


(続きます)