月読スタジオ様で撮影させていただいた、もう一本目の動画を公開しました!
この曲はゴッホ展で展示されていた、『糸杉』という絵からインスピレーションを受けて、2019年に作曲した曲です。
>美術館に行った時の日記
当時の私はゴッホという人物についてあまり詳しくは知らなかったのですが、おそらく(こんなことを言うと色んな方に怒られてしまうと思うんですが)芸術を愛しているけれど抜きんでた才能を持っておらず、そのギャップに最後の最後まで苦しみ続けた人だったんじゃないかなぁと思いました。
初期のころのお世辞にも上手とは言えない絵が飾ってあって、それを画家の友だちからコテンパンに批評されてしまったエピソードが紹介されていたり(自分だったらこんなこと暴露されるの絶対に嫌だ……笑)
また行く先々ですぐに流行に飛びついて、自分の画風がなかなか定まらない影響されやすい面があったり。
それでいて、弟のテオはいつか兄の絵が認められるはずだと信じて、ゴッホの絵をたくさん保存してくれていたんですよね。
そんなところに、ゴッホ自身にどこか人間的に見捨てられないような魅力があったのかなぁ、なんて思ってしまいます。
ゴッホ展の音声ガイドのテオ役のCVが小野賢章さんだったんですけど、あまりに優しく語りかけてくるものだから最後のセリフで泣いちゃったんですよ……
会場内で他にも泣いてる人が5~6人いたから恥ずかしくなかったけどさ……テオCV小野賢章はあかん……(でもまた聞きたい)
で、そんな優柔不断でお世辞にも才能があるとはとても言えなかったゴッホが、晩年に病院で死にかけながら描いていたのが糸杉の絵でした。
たくさんの人とぶつかり、身も心もぼろぼろになって、ようやくゴッホにしか描けない「うずまき」の画風が完成したのです。
(楽曲中に出てくるハープのフレーズは、ゴッホ独特の画法「うずまき」をイメージして作っていたりします)
なんだかそこまでしないと唯一無二にはたどり着けないのかという思いと、死にかけの人が描いたとはとても思えない生き生きとした絵画に胸を打たれてしまって、初めて絵を見たときに鳥肌がブワッと立って涙が零れたのを覚えています。

私もエレクトーンを演奏していて、唯一無二ってなんだろうってよく考えます。
たとえ弾き方がかっこよくても、音がボロボロだったらそれは音楽ではないし、ただ奇をてらうだけで作りが雑になってしまっては意味がない。
かといって誰かが通った道を真似するだけなんてごめんだし、偉い人の顔色を窺ってやりたいことができないのはもったいないし……
とにかくそこにたどり着くのは決して容易ではないということは、ゴッホの生き様を見ていてもよくわかります。
何か新しいことを始めるには痛みがつきまとうのは当たり前で、誰かから馬鹿にされたり不愉快だと顔をしかめられたり、遠ざけられたりすることもあるかもしれない。
そのたびに「あれ、何やってんだろ私」って、一度でも我にかえったら負けてしまうので(笑)正気を失いながらも、決して独りよがりにならないよう、支えてくれる方々への感謝を忘れずに、信じた道を突き進むしかないのかなぁと思いました。
『iToSugI』はそんな生命力を漲らせ、自分を鼓舞していくエネルギーをありったけ詰め込んだ曲です。
かねてより挑戦してみたかった、演奏に振り付けを取り入れる『演舞奏』に挑んだのも、こうした楽曲全体のコンセプトの影響が大きかったりします。
『演舞奏』に関しては長い間自分の中にアイディアはあったものの、なかなか実現できずにいたので、今回達成できて本当に良かったです!
私自身は今までダンスを習ったことがないので、オリジナル振り付けを考えるのが最大の課題でした。
だいたいの流れは頭に入れつつも、本番はアドリブのように自由に腕を動かして撮影していました。

装いに関しては、あたかも一本の木になったようなイメージで動画を作りたいと思ったので、4年前に作成したオリジナルの髪飾りを頭に付けました。
>髪飾りを作った当時の日記
顔をお面で隠そうか、和風っぽい雰囲気にしようか、はたまたプロジェクションマッピングの映像と連動させようか、などなど……
かなり長い時間をかけて、じっくりと様々なアイディアを出しながら、どんな風に演奏しようか考え続けました。
足元を原始的な裸足にしたり、サムネを絵画の額縁っぽくしたのもちょっとしたこだわりポイントです。
歌詞は全て造語です。歌声が完全なる主役になるのではなく、楽器の一部として聴こえるようなオリジナル曲を作りたいと思いました。
歌詞を作っていたのは『夜明けの子守歌』とほぼ同時期だったのですが、夜明け~の方は「フィ」とか「スィ」など妖精らしい綺麗な発音が多かったのに対し、こちらは濁音を多めにして、力強さや土っぽさを表現しようと考えました。
>歌詞【フリーサイズ公式サイト】
バースデーフレグランスで12月の香りがサイプレス(糸杉)だったという偶然にも驚かされ、12月にアップさせていただくことにしました。
ついでに花言葉も調べてみたんですけど、「死」とか「哀悼」とか「再生」とか非常にスケールの大きい言葉が並んでいます。
もともと生と死の象徴として神話や伝説にも登場するそうで、色々な絵画に描かれてきた特別なモチーフでもあるようです。
UTAU調声は今回もとまとちゃんにお願いしました。
イメージに合うように、いろいろな音源の組み合わせを試していただいて……おかげさまで本当にイメージぴったりの素敵な音源になり感動しております!
とまとちゃんいつもいつも本当にありがとう!!!!
日々の仕事が忙しくなり、あとどれぐらい創作活動ができるか未知数なところも多いので、もしかするとこの楽曲が最後になってしまうかも? なんて可能性についても考え初めていますが、そんな中でもこうして悔いのない挑戦ができて、本当に良かったなぁと思いました!
個人的には、こんな感じのパフォーマンスをもっともっと見てみたいという気持ちです。
演奏も音の出し方も方法はひとつではなく、もっともっと色々な可能性が広がっているような気がします。
それではまた!

















