deb4d3ab.JPG初めて太宰治の本を読みました。

「斜陽」

この人は何となく敬遠していたんだけど、雑誌に紹介されていたのをきっかけに、読んでみようと思って購入しました。


結果から言うと、すっごく面白いよコレ!!

衝撃を受けました。

内容は没落していく貴族の物語。

転がり落ちて行くような物語の展開と情緒には完全にやられました。

せっかく紹介したんで、はじめの文章を載せて終わります。



朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
「あ」
と幽かな声をおあげになった。
「髪の毛?」
スウプに何か、イヤなものでも入っていたのかしら、と思った。
「いいえ」
お母さまは、何事もなかったように、またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み、すまして顔を横に向け、お勝手の窓の、満開の山桜に視線を送り、そうしてお顔を横に向けたまま、またひらりと一さじ、スウプを小さなお唇の間に滑り込ませた。ヒラリ、という形容詞は、お母さまの場合、決して誇張ではない。貴婦人雑誌などに出ているお食事のいただき方などとは、てんでまるで、違っていらっしゃる。

太宰治「斜陽」