馬鹿くせぃ 馬鹿くせぃ
と婆ちゃんが言う
そして泣いた

どうしようもねぇが
どうしようもねぇが

村は沈む
村の田畑を照らした太陽は
やがて水面を照らすだろう

蛙が向こうの池でぽちゃんと跳ねた
やつらは水を伝いどこへ行くか

馬鹿くせぃ 馬鹿くせぃ
と婆ちゃんが言う
そして皺顔をくしゃくしゃにしかめた
わかっているのかわかっていないのか
僕にはわからないが
きっとわかっているのだろう

わかっていたのかわかっていなかったのか
僕にはわからないが
もしかしたらわかっていなかったのかもしれない

理想と現実の狭間で
真実めいた虚構がうそぶいている

突き詰める必要がないのなら
ただありのままを受け止めればいい

空は高く青い
言葉によって傷つき

言葉によって悲しみ

そして、言葉によって癒されている自分がいる