気がつくと俺はソファに大の字になって横たわっていた。
真っ黒なBIGDICKを一口で飲み込めるくらい大口を開けて、だらしなく涎も垂れている。
えろ。やらないか 。
「うはっあぁ、、、うぅ」
ちょっとアレな叫び声をあげて、右の掌で涎を拭いながら飛び起きた。
俺の脚の先の方では、男が事務いすに腰掛けたままがっくりとうなだれて寝ている。
ときおり苦しそうにうめき声をあげているさまが物悲しさを誘う。
ちなみに彼は昨日から24歳になった。
この日は彼がこの世に生を受けた日だ。
そんな良き日に彼はソファとられて横のかったいかったい椅子で苦しそうに寝ている。
俺はさすがに不憫に思い、席をたって彼に譲った。
っていうかBJ行きたかっただけやけど。
あ~腹痛い腹痛いハーラーイータマーエー♪
ふ~は~あ、あ”~。ふぅ。ん?
カランっ…。
「紙が切れているようだ。履きますか?」
何をやねん!
俺は慌てて全身をまさぐった。
これは…。
「ポケットティッシュ」
セーフティー。
俺は今日ほど花粉症だったことを神に感謝することは後にも先にもないだろう。
ありがとう、ありがとう、英会話教室。
しょうもな。
昨日は何を話したっけ?
紙コップやケーキが散乱するホワイトボードの上を片付けながら、
俺は昨日の会話をふらふらと反芻した。
後輩の女の子の臍しか思い出せない…。
俺は~見やんとこ~としたんやけど~あれ、眼鏡、眼鏡がね~うん。
レンズに焼きついてて、、、あ、、、なんかカタカナの用語を話したような。
~
「男前で、靴見て尖った靴履いてたら、あ~こいつシャキってるな、とか思いますね」
「でた、シャキってる」
「え~言いません?ちょっとナルはいってる奴とかシャキってんちゃうぞって」
「知らんわw 覚えときます」
彼女を取り巻いていた野郎どもの知識が1あがった。
「先輩、あれなんでしたっけ昨日言ってたやつ」
「え、あ、えと何だけ、あれや、ロンダ」
「何でしたっけ?」
「あれや、ロンダリングっつって学歴あげるために良い大学の大学院行くこと」
「そうそうロンダってんちゃうぞ!とか言っていいすか?w」
~
元気な娘だ。うん。
俺はなぜだか嫌な感じがして唾を飲み込んだ。
変な汗が胃をつたっていく感じがした。
また嘘か!
あああ、もう最悪。
「ロンダリングっつって学歴あげるために良い大学の大学院行くこと" 'ζ_,`"」
" 'ζ_,`"なんだよこの顔は。ほんま。しゃきってるわ。
まあ全く嘘では無いんだが …。
あ~やっちゃった、かっこわる。
彼女が冗談でミ▼血▼メ彡な人に
「ロンダってんちゃうぞ!」って言わないことを祈るのみである。
誕生日を越えて、ようやくソファでくつろぐ男、O野にこのことを告げる。
「あ~普通はマネーロンダリングとかやろ?おもろいから黙ってた」
このくそどぼけが!
次の誕生日は来ないと思っとけよ!
しかしこの時の俺はアルデヒドの力になすすべもなく、へらへら一緒におでん買って帰った。
めでたしめでたし。