第庭 オープンキャンパス | 魔法使い泰蔵!

魔法使い泰蔵!

ある日突然、魔法少女が空から振ってきた!ってなるのが早いか、
俺が魔法使いになって、魔法少女を召還して空から落とすのが早いか、
伝説の戦いの幕を今開けてみる。
きっと明日はいいことあるはず

おっす俺は泰蔵、魔法使いを目指す大学生だ。


先週はオープンキャンパスに行ってきたぞ。

っていうか俺がやる側なんだけど。

魔法女子高生なんてとんでもない最終兵器てぽどんが飛んでくる可能性があるから気を付けろ!

まあ工学部なんで女の子もあのそのなんというかしかし…。


俺はわけあって魔法使い見習いなんだけど、プログラムもやってて、うん。

今はAiboのプログラムやってるわけで、それを使ったデモを見せてたわけだ。

しかし、「あ~アイボかわい~ぃ、ずっと前から好きでした、おにぃさんの彼女にして下さい!」

なんつー魔法女子高生がいるはずもなく、かといって

「ろ、ろロボットプログラミングってあのぁの凄くおもしろいですよね、へへ」

なんつー真性もおらず、「ふーん」てな感じで反応は寒いもんだった。


(あ~、食いつきいい子がおれば盛り上がるのになぁ)とか何とか思ってると

神降臨、部屋に入りながら大声で一発ぶちかましてくれる男が来た。

玄武「あ~アイボみたいなんおる~」

相方「ぐへへっ」

一同「しーん」

冬の神氷んかよ…。参ったな…。


しかしどうやら紙も自分のギャグが

文字通りみんなを黙らせてしまったことに責任を感じているようで

次なる一手を用意しているように見えたので、期待して次を待った。

玄武「あ~アイボみたいなんおる~」

相方「えへへ」

一同「ざ わ ざ わ」

くっ…繰り返しやがったこいつ!ありえねえ、いんぱっしぼー。

無理だ、やばいあかんて、ちょっと考えろって、

自分の性能をもうちょっと見極めろっていうか消えろよ、今すぐ、この次元から。


何とか上手く受けて、客の笑いを取らなくては!俺は考えた。

しかし俺が逡巡していると、ほら、冬の神々のざわめきが聞こえる。

「いけよ」「へへ」「ほら」「無理やって」「ぐへへ」

ん…なんだ?

「あ~アイボみたいなんおる~」

こっこいつ…、ちょっと小声やし!

瞬間的に俺の脳内に二つの選択肢が生まれた。


 「オマエ眼鏡割るぞ」って言う

→「オマエ眼鏡割るぞ」って言わない


我慢した。

俺は我慢した。自分で自分を…。

しかし客はもう凍り付いてどうすることも出来ない。

どうしよう…。

俺は待った。

高校生と言えど、男ならこれまでのは布石でここから一発逆転ナインが待ってるはず。

彼はきっとやってくれる。

が…、

帰った。


待て待て待て待て

責任とってよ、このいくじなしー!


泰蔵はどうなってしまうのかー!!