2021年3月31日 チョロQ zero大全が発刊された。
2011年9月にスタートしたzeroシリーズは今年ついに10年という一つの節目に達する。
このアニバーサリーイヤーに満を持して「公式な」書籍が世に出たことは「zeroからチョロQにハマった」私にはこの上ない喜びである。
もちろんこれまでも界隈の方ならお馴染みの雑誌モデルカーズや私が把握していない所でzeroは誌面やホビー系などのネットメディアにも掲載されている。
主たる内容としては、全272モデルの鮮明な写真とモデルと実車の解説が大半を占める。
公式サイトでは試作カラーのままだったものや、試作ホイールのままだった写真がさし変わっていたりする。
半面でやや残念だったのが、付属するミラーを付けた写真がほぼないこと
折角チョロQzeroに付属している別パーツので大全ならばリアスポイラーやウィング系も含めてそこは「全て」やって欲しかった所
かつての宣伝用写真なども掲載されている、新規ジオラマ系写真が僅かではあるが非常に良い
いずれにしろ、かつてのチョロQ大図鑑を彷彿とさせる内容だが、zeroを追ってきた身として特筆すべきはやはりその間に掲載されている「インタビュー」である。
トミーテックのTLVシリーズ担当でもおなじみの黒幕のお二方が開発試作初期の頃から最新のモデルまで、加えて欠かせないゼンマイや新旧のパッケージについてもその開発ストーリーを掲載しているのは、大変濃い内容となっており、何度も読み返してしまいます。
これについてはzeroについて各種疑問を抱えている一定層も納得いくアンサーが得られるのではないかと思います。
この開発チームに続き、zeroシリーズのディフォルメ設計を全て担っている勝野久俊氏のインタビューも掲載されています。
氏はタカラにてチョロQのデザインを担当した経歴を持ち、「核」と言っても過言は無いお方でしょう!(私も実はここ2年くらいで知りました)
zeroの設計理念や現在のzeroとかつてのチョロQを設計という視点からどう異なるのか述懐しており、こちらも濃い内容です。
開発と設計の2面からzeroのウラに触れることができる、ここまでのボリュームは予想していませんでしたか。。。。大変うれしい内容です!
私が本誌でとりわけ感動したのが「生産工程」の掲載
中国の工場だが開発チームと綿密なやり取りによって生産されているのはよく耳にしていましたがあれだけの工程を経て、あの価格。。。。。呆然としてしまいました。
私は10年買い続けて、初めて適正どころか安ささえ感じてしまったのです(重症です)
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さてここからは私のただの語りです。2021年時点での自分の考えのメモみたいなつもりなのでネット向けなのかあんまり自信はないです(笑)
シリーズ当初から「高い」(第1弾は約1000円,スカシルのみ約1500円だった)
といわれ続けていた記憶が私の中で強くあるzeroシリーズだが、その後徐々に定価は高騰し、現在は3000円に届きそうなところまで来てしまった(この理由は本誌を閲覧されたし)
そしてこの「高い」という意見は特に2000円を超えたころから顕著に見られるようになった気がする。SNSで容易に自分の考えや意図しない言葉を発信できる今日、日本人気質なのかわからないが、zeroを肯定・賞賛する声は私が見てきている範囲ではまだ少ないと思う。
これによってzeroというホビーからチョロQに触れた私は
チョロQとは?zeroとは?
ホビーとは?おもちゃとは?
等その存在意義までをに立ち返って考察するほどになっていった。
それほど否定的な意見が目につくようになった。
zeroに対する様々な意見を見て、何故皆がそう言うのか気になり始めたのだ
この野心的な疑問はさらに加速していった。
なぜタカラとトミーは合併したのか?
一世代を気づいたにも関わらず、なぜスタンダードチョロQは無くなってしまったのか?
その後なぜトイラジ目線に走り、長続きしなかったのか?
トイラジで失敗したのになぜゼンマイのチョロQは復活しないのか?
※2014年にちょっとだけ復刻はした
誕生40年を迎えたにも関わらずなぜチョロQの扱いは今日特注のみなのか?
いずれも答えは仮説の域を出ないのだが、それはzeroをただ漫然と好むだけではたどり着かないと思った
そのためにはかつてのチョロQがどうだったのか知る必要があるのではないか?
と、私の視野と購入対象が自然と広がっていった。
先日、今日のオモチャ業界は後発のゲーム業界と非常に拮抗する立場であることまでTwitterで教えてもらった時はそこまで考察できなかった自分が浅はかと思った。
まさか「出来がいいから」と買い始めたミニカーを追い続けたら企業の合併や生産国の情勢、玩具業界の傾向まで掘り下げることになるとはさすがに思ってもいなかった。
最近気づいたことは、タカラトミーSTD(復刻とも称される)とトミーテックzeroは2014年に販売店の系統によっては、実は両シリーズ肩を並べて市場に並んでいたことになるという点だ
そしてその結果、今日存命なのは7年経過したzeroのみであるという紛れもない事実、市場結果。
ここまで吐き出して気づいたのは
逆にzeroのプラスな面に実は気づいておらず、もっと沢山あるのではないか?という点
確かに高い。が、公表されている公式の在庫表を閲覧すると直近のモデル以外はほぼ全て完売しているのだ。
他に挙げるならペースはTLVより一歩控えめだがキチンと新作を出している点や新規タイヤの開発、コインホルダーのよるウィリーの徹底、本家STD無き後に登場した現行の実車車種も数シリーズに渡ってモデル化し、文字通り進化(Qの次はzeroという開発コンセプトワードの1つ)していってるのではないだろうか?
もっとzeroの良いところを挙げてプラス思考にできたら良いのになと(外人っぽい思想)
本誌の発刊にあたり、私はzeroの試作が発表された2011年当時に時を戻して思い出してみる
学生の私はクルマ関連の趣味仲間を求めてチョロQを主とする楽天ブログに併設された掲示板で車ゲームのトークに傾倒していた。
そこからネット世界にのめりこんだ
そのブログでもzeroの試作一報(4台の赤い影と○。○〇みたいな縦長の画像)がもちろん取り上げられていて、当初は出来がいいなぁ程度の認識であった。
そして予期せぬことになったのが、私がチョロQ学園のイベントで頂戴した緑の日産キャラバン。初めてのzeroとの対面で、他にはルマンセットの787Bと252i程度しかなかった私にはとても魅力的な1台だった、不思議と惹かれた
その後は忘れもしない、秋の全日本模型ホビーショーでみた第1弾の後発ディティールアップ版と色変え版の展示。直接開発者とトークさせていただいた時間、そして展示実物の出来良さに魅力を感じないわけがなかった。即予約して発売された翌年のそれらは当時お年玉を使った記憶があるが、本当に素晴らしかった。
ここからzeroシリーズが大きな軸となった、以降第2弾、第3弾と
車種が発表されれば「そう来たか」となり、
グレーや黒の試作モック写真が出回れば「何色、仕様になるのだろうか」となり、
色見本が公式サイトにあがれば「手に取るのが楽しみだ」と、都度都度楽しんできた。
特に秋の全日本模型ホビーショーはタミヤRCを触れていた時期から足を運んでいたため、恐らく10年は確実に行っている。zeroを買い始めてからはトミーテックブースの展示も全て見てきた。
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あれから10年を経て私も社会人。
そんな楽しみ方をして10年を過ぎてしまったのだ。
今回表紙に全zeroで272種類であることが判明した(数えようと思いつつやらないでいた)が、私はそのうち270台を取り揃えていることになる、もはやzeroは私の青春の1ページを刻んできた重要なファクターになっていた。気づいたらなっていたのだ、ただ買い集めていただけなのに(笑)
時には高校の小遣い。時には大学時代のバイト代。
大学時代はzero新作が来ると「バイトしてよかった~」なってほざくようになった(笑)
多分今後もこのシリーズはよほどの理由がない限り買い続けていく気がする、少なくとも辞める理由が私の中で一切ない。私は物事は突き詰めれな突き詰めるほどその背中に「今引き返せばラクになる」的な囁きがある気がしてならないのだが、不思議なことにどうもzeroはそうならないのだ。
だからこそ同シリーズを細部まで考察し、その理解を深めていきたい姿勢は2011年からは変わらない、常に見届けていきたいと思っている。
でも別になんかそれをすんごいと思わないようにしたい。そんなつもりないし
そしてそういう人達と交流を深めたい。
最後にzeroへの否定的な意見は今後完全になくなるわけではないだろうと予見している。だからこそ細部に理解を深めたうえでそれらが払拭されていき、よりチョロQ自体が賑わってくれればとても明るい未来ではないか?とか思いながら、それには後何周年数えるだろうか?(笑)
そのためにもこういう誌面での正しい情報というのはもっと出回ってほしいのである、だからこそそれを満たしている本誌は推せるのである。
今後最悪、本家タカラトミーがどうなっていてもzeroが頑張っていればそれはそれでいい未来の1つではないかとさえ思う。(もちろん復活はしてほしい)
今後もその発展をじっくりと期待して見ていきたいなと思う限りです
そしてここまで読んだ人はすごい!(ありがとうございました)
ではでは