Flipstと言葉による詞章。 -9ページ目

晴れた夜空

月が見える 心は穏やかに
君は歌っている 誰にも聞こえない声で
木々が揺れた 歌声とともに
僕は歩いている 月灯りと星の色で

いつだったか 誰かが言ってた
晴れているのは 夜だって同じ 
歌う事も 歩く事も きっと同じ

いつまでたっても 大人にはなれなかった
君が残した 少女の瞳は
いつまでも 僕の心を 苛んで
幾つになっても 変わってはくれなかった
僕の心の 罪悪感は
いつまでも 僕の心に 居座って
叫んだって 前には進めなかった

晴れている 空は青く澄み
夕焼けが 空を藍に染めて行く
星が消える 藍は薄れ行き
朝焼けが グラデーションを描く

いつまでも 眺めてる事が
出来なかった いつだって
何もかもが 目の前を 通り過ぎて

夜を歩く為に 月の灯りが
どうしたって 必要だった
此処から君に 伝えたい
僕たちは 夜にしか 歩けない

いつまでたっても 大人になりたくなかった
君の歌は すっと夜に
溶け込んで 僕の心に 響いている
幾つになっても 変わってはいけなかった
僕が心に 感じた物は
いつまでも 僕の心に 住み着いて
叫びたくても 声には出せなかった

二つの月と冷たい道。

「暗い顔して部屋にいるなら、僕の家においでよ。」

服で埋もれた彼の部屋には、
申し訳なさそうに二台の自転車が、
肩を並べていた。
何故か物悲しい空気の漂った
その部屋はとても寒かった。

「いつも一人なの?」
「うん...だって、上手く人と話せないもの。」
「僕には大分上手に話してる様に見えるけど?」
「分からない。人にはそうやって良く言われる。でも...。」
「でも?」

続きが言えなかった。
気を使い過ぎないで喋る事と、
上手に人と喋れる事は決定的に何かが違う。
その違いを説明出来なかったから。
二人の言葉は、
部屋を少しの間漂い、
すぐに消えてしまった。
まるで様子を伺った後に気まずい空気を察し、
こそこそと走って逃げる様に。
彼は台所に行き
コーヒーをたっぷりと入れたマグを持って帰って来た。

「ありがと...。」
「いやいや、僕が飲みたかったからさ。」

コーヒーは甘いバニラの香りがして、
少しだけ苦かった。

「フレーバーコーヒー。美味しいでしょ?」
「フレーバーコーヒー?」
「コーヒーにさ、香り付けてるんだよ。」
「うん...美味しい。」

少しだけ、
体が暖まった。

「力をさ、抜くんだって。」
「...え?」
「生きて行く上でさ、ずっと力が入っていると疲れちゃうからさ、
 適度に力抜いて、そして歩いて行くんだって。」
「...。」
「かく言う僕も上手く出来ないんだけどさ、誰しもが月の灯りだけで
 暗くて長い道を歩かなきゃならないんだ。恐ろしく長く、
 そして冷たい道を。森だってあるし、川も山もある。全力で走ってたら、
 息が続かなくなる。でもさ、息が切れて立ち尽くしちゃう位なら、
 動きたく無いよね?」

そう言いながら、彼は笑っていた。
帰り道に、
彼の言葉を思い出していた。
息が切れて立ち尽くしちゃう位なら、動きたく無いよね?

家に着くと、
二台の自転車は、
申し訳なさそうに肩を並べていた。
そして、とても寒かった。

決して完璧に成し遂げられない、
完璧主義者は最初から動かないのかな?

赤と黒コーヒーメーカーが、
こぽこぽとなっている。
バニラの甘い香りがした。

夢は幻、浮き世の最中。

朝目が覚めると、
体が重かった。
冬の朝は僕を憂鬱な気持ちにさせる。

夢に出て来たあの娘を
僕は抱き締めていた。
切なそうな目で
抱いてくれとせがむあの娘は、
僕の侵入だけは許さなかった。
裸になり
ただただ、僕の腕と胸を求めていた。

夢が僕の心に落として行った残像は、
僕の心にいつまでも居座り、
苛めている。

夢は時として、
現実を侵す。
ゆっくりと
薄れて行くまで。

夢見る子供達

ロマンスのビックヒッター。
グレイトシューター。
こんばんは。
雨が降ると遣る瀬ないFSです。

皆さんは幼少の頃にどんな大人を夢見てましたか??
結婚はいつぐらい?
子供は何人で、年収はどのくらいであったろう??
僕は最近全然思い出せない。
果たして夢見ていた20代後半にはなっていないと思う。
やりたい事が沢山あったのに少しも思い出せないんだ。
少しずつ大人になって行って、
少しずつ世間を知って行って、
何でも出来ると思っていた事は、
思っているだけじゃ何にも出来ないって知った。
時間が過ぎて行く。
年を取って行く。
僕の心は年を取って行く。
うまく言葉には出来ないけど、
あの頃夢見た僕にはなれない。
大人になると、毎日の仕事が普通の事で、
自分の家を買って、自分の自動車で出掛けるのが当たり前だと思ってた。
でもそうじゃないだろ??
大人達は子供達の見ない所で色々な努力•苦労をしてるんだ。
それを理解してるんだ。
いまこの歳になってやっと。
自分が夢見た大人は、
カッコイイまま僕の心にあり続け、
僕は今もこれからもカッコワルイまま。
殻は破かれずに、僕は羽撃く事を知らない。
飛び立たなければいけないのに、
僕には羽が無い。
未来を知りたいと思うかい??
僕は思わない。
きっとがっかりしちゃうから。
未来を夢見る事よりも、
未来を知る事が怖い。
夢は自由な物だけど、
未来に不安を感じずにはいられない。
明日にはまた新しい未来がやって来る。
言葉にしたい事が言葉には出来ず、
心ない言葉は人を傷つける。
さて、扉を開けようか。
七つの敵はいつでもすぐそばに。

至冬

頬に突き刺さる。
風は冷たく厳しい。
透き通った風は空気を
更に透明にした。

本格的な寒さがやってくる。
ふと見上げた東京の空。
雲一つ無く、
青かった。