ティアラのこと | flighty life

ティアラのこと

ちょっと前、ゴールデンウィークのある日、あたしは実家に向かうべく電車に乗っていた。
うちの実家は今建設中の東京スカイツリーのふもとなので、
この日は連休中ということもあり、たくさんいるであろうスカイツリーの見物客を避けるべく
初めていつもと違うルートで実家に帰る途中だった。
普段長時間乗ることのない千代田線で北千住に向かっていた。

iPhoneを眺め、音楽を聴きながら座っていると、
となりにいた中学生か高校生くらいに見える大きな荷物を持っている女の子が耳元で突然叫んだのだ。

「Excuse me!!!!」ドンッ


あたしはかなりびっくりして、本当に心臓が止まるかと思いつつ、
もしや音漏れでもしてたかしら?なんて一瞬でぐるぐるいろんなことを考えて女の子の方を向くと、

「Do you speak English?」

と、また激しく聞くもので、こちらはまたもビックリしながら
「Yes」とだけ答えると、

「えええーーーーー!?爆弾

と、今度は向こうが大きな声で驚いた。
いやいやいや、あんたが「英語しゃべれるか?」って聞いてきたんじゃないか。
すると、どうやら日本人の中高生に見えたその子は松戸に向かっているんだけど、
荷物も多いし、どの電車が止まるかわからないからできるだけ乗換したくないとのことで、
今乗っている電車が松戸に行くかどうかを知りたがっていたのだ。
さらに「あなた日本人じゃないの?」と。あせる
基本静かな東京の地下鉄内では、最初のやり取りだけで当然あたしたち二人に注目が集まる。
あたしは日本人なので、静かにすることがマナーなのも知っているからちょっと恥ずかしかったけど、
とは言え困ってる外国人旅行者を放っておくことはできない。
しかし、普段ほとんど使わない電車。この電車が松戸に行くかどうかなんてわからなかったから、
近くにいる人に聞いてまわるも、変な人と思われたのか、本当に知らないのか、
「さぁ?」という返事以外帰ってこないし、そのやり取りを見ていた人も何も言わない。
困りながら路線図を見ると、どうやら松戸に行くのと行かないのがあるということがわかった。
では、この電車は?と思っていたら運良くアナウンスが流れ、松戸に行くことがわかったので彼女に伝える。

彼女の名前はティアラ。台湾から来たらしい。
大きなスーツケースを抱えて代々木から松戸へ移動するところだという。
東京で英語が通じないこと、話しかけても相手にしてもらえないことに嘆いていた彼女は
必要以上にあたしに感謝をしていた。結局あたしは何もしていないのに。
どうやらあたしの住むところに近いところに滞在しているらしく、
また会えないか?と聞いてきた。電車の中でたまたま会って話しただけなのに、
ティアラはとっても純粋で真っすぐに見えたので、あたしは近頃仕事が忙しいからわからないけど
できたらまた会いたいと告げ、Eメールアドレスを交換した。

一週間後、ティアラからメールが来た。自由時間ができそうだから、東京を案内してほしいと。
結局あたしの都合が合わず、ティアラとの再会は果たされることなく
彼女はこの月曜日台湾に帰って行った。
ティアラにメールしなくちゃ。無事に着いたかということと、また会おうねということを。


Cheers!!

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