就職する時、
もう、景気は悪かった。
それでも、
「氷河期」
そこまでじゃなかった。一歩手前ってとこ。
で、
就職できた。
「公益法人」ってやつで、
「市」が運営してた子供施設だったんだ。
田舎育ちでさ。
仕事なんかありはしない。
それに、都会にも憧れてたから、
絶対、就職は都会・・・・第一候補が東京・・・・あるいは、神奈川・・・・要は「首都圏」って決めてた。
で、見事、神奈川で就職できた。
身分は、ほとんど、「公務員」と変わらない。
もう、
一生安泰。
それで、憧れの都会生活が始まった。
寮生活でさ、
家賃は、市の補助があって、
だいたい、民間の1/3ってとこだった。
仕事は子供相手。
ウチは「母子家庭」だったからさ、
んで、年の離れた弟がいたから、
子供のころから、ずーーーっと、弟、幼児の面倒をみてきたんだ。
・・・・そこから、
子供にたずさわる仕事をしたいなぁ・・・・って思ったんだよな。
でも、
母子家庭で貧乏で・・・・だから、上の学校には行かせてもらえず・・・
さて、
どうしようかって、都会の就職案内をみてたときに、ここを見つけたんだよな。
天職だと思ったなぁ・・・
子供の面倒をみて・・・・
施設とかの管理・・・・・ちっちゃい補修とかさ、そういうこともやって・・・
もともと、手先は器用だったから、
建物の棚の修理とか、
電気とかも直してさ、
自慢じゃないけど、子供たちには人気があった。
・・・・まぁ、18歳で入ってるからな。
子供たちにとっては、
よーく遊んでくれる、「年の離れたお兄ちゃん」って感じだったんだろうな。
お母さんがたの受けもよかったと思う。
「準公務員」
「一生安泰」
だと思ってたのになぁ・・・・
未曽有の大不況に飲み込まれて、
人生は狂っていくんだった。