Kirtaの顔は週末中に終わらせるのでお待ち下さい。

井上夢人の短編集「あわせ鏡に飛び込んで」の中に入っている一編
「ジェイとアイとJI」というのがとても面白かったです。

おおまかな内容としては、1人のパソコンマニアが2台のパソコンの対話プログラム同士を対話させ、
学習型人工知能を造ろうとする・・・というお話です。
当然、怖いオチはあるのですが、過程が面白かったです。
この中で使用しているソフトはいわゆるエキスパートシステムです。
エキスパートシステムとは質問攻めによって知識を蓄積していくタイプのソフトです。
「ゆいちゃっと」や「トロ(どこでもいっしょ)」と言えば分かる人もいるでしょうか。
ピンと来ない人は以下のサイトを試して見て下さい。

http://en.akinator.com/

http://www.20q.net/

よっぽどマイナーなキャラクター/物でなければ99%位の確率で当てられると思います。

エキスパートシステムは人工知能ではない(弱いAI)のですが、対話している人間はあたかもそれが
意識を持っているかのように錯覚します。これをELIZA効果といいます。

これを突き詰めて行けばチューリングテストには合格するかも知れませんね。
「すべてがFになる」でありましたがいつかゲーム内のキャラクターと普通にチャット出来るかも知れません。

本当に自我と自己判断能力を持つ人工知能を強いAIと言うのですが、これの実現には課題が多そうです。
「ジェイとアイとJI」の中で主人公は、「君の名前は、ジェイだ」という言葉の意味を理解させるのに
えらく苦労します。最終的には成功するのですが、まぁ、それはある伏線になっています。

また「フレーム問題」という問題が立ちはだかっており、例えば人工知能を搭載したロボットを
「事故らないように気をつけてジュース買って来い」という簡単なお使いに出したとします。
その瞬間に人工知能はあらゆる可能性の中から事故らずにジュースを買う方法を選別します。
しかしその可能性というのが無限大にある為、そこで行動がストップしてしまうのです。

我々人間はこの問題を解決していますが、どうやって解決しているのかはまだ解明されていないそうです。
機械に作業をやらせるのはまだまだ先の話になりそうです。

アフタヌーンで連載中の漫画「ナチュン」では大量のブタを強制進化させて集団意識を発生させ、
群知能といった形で人工知能を造ろうとしています。やはり生物の脳を使うのが一番早いんではないでしょうか。
(それは人工知能か?となってしまうかも知れませんが)
この漫画は現役の大学准教授が描いていて、最近読んだ中でも非常に面白いのでお勧めです。