番外編ーいつ、どうやってアメリカ私立大学共通エッセイを書くのか | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

これは、私立大学共通エッセイの番外編。

 

『アメリカの子供の正しい夏の過ごし方』の中で、野球でリクルートされた坊ちゃんの話を書きましたけど、覚えていらっしゃいますか?えっ、何それ、と言った人は、是非、戻って、読み直してくれると嬉しいなあ。まあ、読まなくても、この話だけで完結しますから、ご心配なく。

 

 

ディビジョン1のアメリカの野球名門大学にスカウトされて、大学生活をこの8月から送り始めた坊ちゃんのお話です。成績が悪くて、サマースクールで、学科を取り直したと言うお話をしましたが、彼が、無事に大学入学に漕ぎ着けるまでには、余談があります。いやはや。

 

成績を嵩上げした結果、大学からシニア(高校3年生)の新学期が始まると同時に、正式に授業料、寮費、食費何もかも含めてのフル奨学金で、招聘されました。その後に、他にリクルートされた学生、両親を招待してのパーティーにも出席して、本人もそのリクルートを正式に受諾した、と思っていたのですが、まさかのどんでん返し。ええっ!

 

何と、坊ちゃんは、その大学に出願していなかった!信じられますか?スポーツ入学する学生は、アーリーディシジョンの志願者と同じで、12月始めには、入学を確定させます。12月22日金曜日に、筆者は、気が動転した彼の母親から、電話を貰いました。彼女がその日、両親あてに届いた大学からの封書を何気なく開けると、頼むから、出願して欲しい!と言う懇願の手紙だったとか。大学側は、本人には、スカウトが決定してから何度もメールや手紙で促していたらしいですが、本人は、単なる確認だろうと、そのままにしていたとか。やれやれ。

 

母親の筆者への質問は、私立大学への出願は、コモンアプリケーション(通称コモンアップ)が分からない、と言うもの。出願には、コモンアップと言う私立大学共通出願システムを使いますが、その使い方が分からない。坊っちゃんは、高校で聞いているはずだけどなあ、と思いながら、まずそこにプロファイルを登録して、共通部分のエッセイと、志望の大学のエッセイも提出することを説明。それから、学校のカウンセラーからと学科の先生2人にも推薦状をここからアップロードしてもらわないといけないことを説明した途端、母親は、もっとパニックに。この日は、冬休み前の最終日。学校の先生を捕まえるのもこの日のみ。途端、母親は、『今から学校に行きます!』とのたまわりました。ガンバレ、ガンバレ、お母さん!

 

その後で、母親からどうにか、先生たちに拝み倒して、推薦状を書いてもらうことを取り付けたと連絡を受けました。締め切りは、1月1日!クリスマスを挟んで、わずか1週間。普通の1週間じゃなくて、クリスマス!クリスマス!先生も休み返上!大学側にも、とりあえず、電話して、必ず締め切りまでに出願することを確約。いやはや。周りを巻き込んで、大狂乱。

 

自分が、エッセイを書く!と言い張る母親をなだめ、実際、大学は、合格を保証していて、形式だから、とにかく何でもいいから坊っちゃんに書かせるべきだ、と説得。意外と、彼は、すんなり書くことに納得。まあ、少しくらい自分のことは、自分でやらないとね。勉強慣れしていない坊っちゃんには、エッセイを1週間で3つ仕上げると言うのは、かなり厳しいことでしたが、大晦日の夜、どうにか願書を出し終わりました。やった!母親は、泣いていました。よかった!

 

スポーツだけして来たとは言え、ちょっと世間知らずの親子では、ありました。この親子、この後、プロのドラフト騒動にも流れ込むのですけど、それは、別のお話。機会があったら、と言うことで。

 

いつの世も、母は強し!筆者も年末、冷や汗をかきました。