少年は、自分より幼いその少年の首を絞め続ける。首を絞められている幼児は、あまりの苦しさに顔を真っ赤にするが声も出せずに藻掻いているだけ。それでも少年は首を絞め続ける、無表情で。でも、そこには「殺意」も「憎しみ」もない。






幼児が今までにない位激しく藻掻くのを見て、少年は彼の手から幼児の首を解放した。 激しく咳き込んだ幼児は、その後、恐怖から解放された安堵感から、激しく泣き叫んだ。少年は、何も感じることなく黙ってその様子を見ていた。






少年の中にあったのは、「目の前に存在する物質」を破壊してみたい、という他愛もない願望だった。いや、単なる好奇心だったのかもしれない。 あの時彼が「それ」を達成していたら、今頃どんな人生を歩んでいたのだろうか?






きっと危険であるが故にお互いが忘れていた、封印された記憶。




電車の中で泣き叫ぶ赤ん坊。彼(彼女?)は何かを主張している。でも自分の要求が叶わないから尚更激しく泣き叫ぶ。





その泣き叫ぶ声が「封印されていた記憶」を見事に引っ張り出す。そしてそれは吐き気を催すほどの強烈なフラッシュバックとなって襲いかかる。狂ってる!






俺は君とは違う。






「そこに存在する事」を信じていなければ、そこには何も存在しない。


「そこに存在する事」を信じていても、手に入れる方法を知らなければ、


やはりそこには何も存在しない。






きっとそれはすべてに言える事なんだと思う。




目の前で起きる事で胃がキリキリ痛んだり、挙げ句眠れなくなってしまうなんて馬鹿げてる。だって、そこにあるのは所詮どうでもいい事ばかりなんだから。