久しぶりのバスケの日、胸の奥にある高揚感と緊張が交錯していた。最後にコートに立ったのはいつだっただろうか。仕事や生活に追われ、ボールを手にする時間は少なくなっていた。だが、そんな状況でも、新しいバッシュだけはずっと気になっていた。履く機会を待っていたバッシュは、まるで自分の怠けた日々を咎めるかのように、ずっと棚の隅で輝きを放っていた。

体育館の床に足を踏み入れると、独特の木の香りと、シューズが床をこする音が懐かしかった。昔の自分なら、この瞬間に全力で駆け出していただろう。だが、トレーニング不足が頭をよぎり、今はその自信が揺らいでいる。体は鈍り、息も続かないかもしれない。それでも、この場所に戻ってきたという感覚が、どこか安心感を与えてくれた。

ボールを手に取ると、手の中に収まるその感触が記憶の奥深くから甦ってくる。シュートを試みたときのリズム、ドリブルの反響音。それらは自分にとって、ただの動作ではなく、青春そのものだったのだ。