Q.なぜ歴史を学ぶことは大切なのか。
A. 歴史を繰り返さないため。
この問いと答えは鉄板。
これにケチをつけるつもりは毛頭ないです。
「過去に盲目となる者は現在にも盲目となる」は有名すぎる言葉だし。
ひとりの人間の寿命など人間の歴史から見れば、刹那。
数十年、百年も経年すれば、すっかり過去の悲劇を忘れてしまう。
・新しい世代、時と共に人間が入れ替わっていくのだから、過去の経験は間接的にしか知らないことに
・憎しみが歴史観を歪曲する
・偏った思想に操作されることも
そして再び、民族同士、国同士で憎み合い、殺し合いを始める。
そんな愚かな行いを有史以前からずっと続けてきたのが人間です。
これを繰り返さないために歴史に学ぶ。
このことに何の反駁もないのは冒頭で書きました。
なのでここからはもう少しそこらへんを具体的に分析していきたい。
歴史から学べる教訓10
1. 油断すると負ける。
どんなに数で圧倒していても、油断していると足下を掬われる。
(世界史上、何度も起こっています。)
後世まで語られることになる。
2. 情報不足で国は滅亡する
知っているか知らないか、で情勢は傾く。
相手が知らないことをこちらが知っていることは最大の武器。
3. 戦いの天才(天才軍師)がいる軍は戦争に勝つ。
数ではなく人。戦の才能。
味方に天才がいるか。敵方に天才がいるかで勝敗は決まる。
最新兵器を配置されるのと同じくらい戦いの天才を国境沿いに配置されるのは嫌な事。
名将(戦いの天才)と対峙したときの緊張感を想像してみる。
彼等は常識を打ち破ってくる。逆境を跳ね返す。ミラクルを起こす。
味方にいれば英雄でも、敵にいればこれほど恐ろしい存在はない。
卑近な例で、暗殺された(?)ロシアのプリゴジンやイランの革命防衛隊ソレイマニが北方領土やサハリンに配置されたら嫌だなと思う。
4. 因果関係
日本史の因果関係は、世界史の因果関係になっている。
人間の歴史は、人為だけでなく天候と因果関係にある。
ウイルスなどが起こす病気との因果もある。
思想・宗教の普及による因果関係。
→これらは見落とされがちな歴史観
5. 結婚による征服・支配。
戦争だけでなく、結婚による侵略が行われてきた。
イタリア;メディチ家。オーストリア;ハプスブルク家。欧州各国の王や教皇を輩出。
モンゴル;高麗王朝をモンゴル化
6. 国を取るのに数は必要ない
たとえ数パーセントでもエリート層とマスコミを抑えてしまえば、その国を支配できる。
中国における数々の征服王朝。(モンゴル人、満州人の支配。隋・唐も(鮮卑族の)可能性あり)
7. 最先端の武器を持つ集団が勝つ
紀元前の鉄。鉄製武器。現在の核兵器レベルと言っても過言ではないくらい圧倒的。
大航海時代の鉄砲。ヨーロッパ人が世界中を植民地にした原動力。
ロシアの騎馬戦と鉄砲を組み合わせたコサック部隊。ユーラシア大陸を蹂躙横断。
大阪冬の陣におけるカルヴァイン砲での大阪城砲撃。徳川方の勝利を決定。
明治維新時の最新式の銃刀。大砲。
日露戦争時の(黒煙が出ない)下瀬火薬
例は枚挙にいとまない。
現在は人工衛星と半導体か?
8. 地に足がつかない民族がいる。
いつも決まった土地にいるわけではなく、世情により世界を移動していく人たちがいる。
国を持たず難民状態を長く続けている民族もいる。
貧乏なまま過ごす民もいれば、お金をたくさん持っている民族もいる。
民族ごと教育に熱心な人々。処世術、錬金術。世代に渡って財を成す人々も。
世界史に(良くも悪くも)多大な影響を与えている。
9. 人口が多いだけで勝つ(国力を意味する)
肥沃で広大な土地があれば、大量の人口を抱えることができる。養える。人口が多いだけで他を圧倒できる。市場が生まれる。
10. 大量の(不法)移民は国を滅ぼす。
ゲルマン人の大移動によるローマの崩壊
現在進行中のアメリカへの不法移民はアメリカ社会を変えるか?
とりあえずこんなところですが他にもいろいろ候補があった
・(歴史の経緯、結果が)地政学的に説明できるものが多い。
敵に攻められにくい土地がある。
領土には要所というものがあり、これの取り合い。
・ナショナリズムとグローバリズムの対立の歴史
国、国家意識の意味vs国境なき世界観(人からお金まで)
・理念だけが高い権威機関がある。(行使力は低い)
国際連盟・国際連合はいざというときに役に立たない。
理念だけの政治が起こす悲劇がもっとも悲惨。
・日本の歴史解釈には宗教(当時の人々が信じていたもの)からの目線が欠落している。
・何十年もかけて嘘をつき続け最後の最後に裏切る者がいる。
中国;漢時代の王莽
中国;漢の張騫(十三年、匈奴と共に家族を持ち過ごすが最後は裏切る。彼の場合、漢に対して忠義を果たしたとも言える。そういう場合、漢民族は賞賛する)
他民族に対して自分たちを裏切った者は何百年何千年も恨み続ける。(宋の秦檜。未だに像に唾を吐く習慣)
・敵方の大将が寿命で死に難を逃れることが少なくない。(死ぬまで戦おうとする)
運がいいだけで生き残ることもある。オゴタイ・ハンに攻められたヨーロッパ全域など。
(おわり)