ボテロ展
ふくよかな魔法(名古屋市美術館)
現在(2022年10月8日~12月11日)は京都市京セラ美術館に移展
写真撮影禁止
静物も楽器もふくよかに
洋梨はじめフルーツもふくよかに
かつての名画もふくよかに
天使も悪魔もふくよかに
なんかシュールでおもしろい
もしもあらゆるものがふっくらしたら…
もしもこの世のあらゆるものものがはちきれんばかり太ったら…
いや…もといふくらむ魔法をかけられたら…
現在進行中の宇宙の膨張現象を各自個人的な体験にできたら…
↑ 『楽器』
わざとマンドリンの音響孔を小さく描いてみたところ個体にボリュームが生まれ、この楽器特有の魅力が表出した。
独自のスタイルはこのマンドリンの穴から始まったとのこと。
人物画においても指先など先端部は極端に小さく、また対照的に胴体など中央部は極端に大きく描かれている。
ファン・エイクの名画『アルノルフィーニ夫妻像』をふくらませる
↓こうなる
豊かな個性が強調される?
視界が豊かになる?
どちらが好みかはあなた次第
比喩が狙いではない
膨張が目的
こんな天使はいないと思う
が、パロディーではない
本人は宗教にさほど関心がなかったという
歪んだレンズでピントが合うものがあるとしたら?
ある視界に顕在される世界とはどのようになるのか?
魅力とは?
(感想)
・破壊のリスクは?
ダミアン・ハーストの言葉「画家にリスクはない。リスクという幻想(イリュージョン)があるだけだ」を思い出す…「リスクを負うのは観客の方」だとも
鑑賞側としてもこんなことして大丈夫?というハラハラ感がある…
・膨張は世界の(隠し持つ)内実の暴露を意味する?
・半永久的なパンパン(?)設定
・破裂寸前のクライマックス設定?
・破裂しそうな虚構のスリル
・インフレーションされた対象は物体表現を豊かに獲得している?
・奇妙な温かみを帯びてくる
・生命感ある世界を誕生させる創造者(と被創造物)
・膨張美とは世界の再構成か
いろいろ書きましたが、あくまで内容的なものより物質的・視覚的なものへの関心のようです。
・(ぶっちゃけ)心の声;
「ふくよかなモナ・リザには思わず吹いた」
南米コロンビア出身と言えば、マジック(魔術的)リアリスム作家ガルシア・マルケス。
しかし、同郷ボテロの談では、マジック・リアリスムではないと。
万一あるかもしれない夢とは貴重なものかも
わずかな可能性から限りなく大きなものを創作するのが芸術の役割なのかも
名古屋市美術館での展示は既に終了しています。(現在京都市京セラ美術館で展覧中)
書き散らかしたかんありありでした。
(おわり)